僕を埋め尽くす秘密
バイでリバの♂が恋愛仕事人生等に悩みながらも真面目に生きてるよ

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目鱗
目から鱗が落ちた時。

メイサちゃんが役所で冊子を手に入れた。
「保育園の入園申込みのしおり」だって。
え、もう?いくら何でも早過ぎない?

よくTVのニュースで保育所が足りないとか
待機児童とか言ってるから?
準備だけでも早めにやろうと思った?
そうか、なるほど。

しかし手続き系の話に滅法弱いメイサちゃん。
僕が冊子を読み込んで説明することに。
僕も決して得意では無い、寧ろ苦手ジャンルだが
メイサちゃんよりはなんとかなるかも。

数分後。

え~と、大雑把に説明すると
メイサちゃんの場合、ちょっと大変かも。
まず保育園に申し込むのには
幾つかの書類や証明が必要らしい。
これを用意するのに梃子摺りそうだ。

メイサちゃんと2人で頭を寄せ合って
何度もう~んう~んと唸る。
さて、どうしたもんかね。

メイサちゃんはサリちゃんを預けて
その間にサリちゃんの為に使うお金を
バイトで稼ぎたいわけだよね。

それでなんちゃら教材を買ったりとか
習い事や塾に行かせてあげたりとか
行く行くは大学進学とか留学とか
いわゆる教育費、だね。

メイサちゃんがそうしたいなら
僕は一切反対しない。個人的にはその育て方も
間違ってはいないと思うし、
それがメイサちゃんの愛の形なんだろうし。
どちらかと言えば僕は賛成派だ。

そんな話をしていたらタクちゃん帰宅。
2人の話の内容を説明したら
タクちゃんは真顔でこう言った。

今の経済状況でも
食っていけないわけではないのだから、
出来るだけサリちゃんの傍に
いてあげて欲しいと。

タクちゃんならそう言うだろうな、と思った。
メイサちゃんもそれはわかっていたみたいで
まるで用意していたかのように
さらりと反論が出てきた。
しかしタクちゃんも負けていない。

「うちは親父がクソだったから
 母ちゃんが毎日働いて、
 妹2人は俺が面倒みてたんだけどさ、」

それからタクちゃんはぽつぽつと語り始めた。
おや?いつもと違うな。
いつもなら理由も碌に説明せずに「ダメ」と
頭ごなしに否定するのに。
説明苦手だからしょうがないね。

自分がどんなに頑張っても
妹達にもちゃんと兄として好かれていたけど
妹達は常に「ママは、ママは、」と
ママの話をしていたこと。

母が開けた穴を、兄の自分では
完全に埋めることは出来なかったこと。
母親の代わりは他の誰にも務まらないと
身をもって知ったこと。

母の帰りが遅くなった夜、
妹達は母のパジャマに包まり
お気に入りのタオルやぬいぐるみを持って
母の枕と母の布団の中で寝ていたこと。
妹達はそうしないと眠れなかったこと。

お気に入りのタオルやぬいぐるみが
どんなに汚れても洗濯を拒んで、
家の中ではずっとそれを握り締めて
手放さなかったこと。
 
母が帰宅すればいつも、それまでの行動を
即中断して玄関にダッシュして母に飛びつき
まるでその日の淋しさを少しでも取り返そうと
必死になって一晩中纏わり付いていたこと。

上の妹さんは大きくなってもなかなか
おねしょの癖が治らなかったこと。
下の妹さんは未だにストレスを感じると
爪を噛んでしまう癖が残っていること。

「寂しかったんだよ、ウチの妹達。
 親父が毎日飲んだくれてたのも見てて
 しょうがないってずっと我慢してたけど、
 毎日見てらんなかったよ。」

子供は小さい頃から親を見ている、と
タクちゃんは言う。
親の行動が誰の為なのか?
子供の為なのか、親である自分の為なのか、
わかるんだって。大人が入れ知恵しなくても。

ギクリとした。自分の子供の頃を思い出して。
toyo家は父の稼ぎだけでも充分生活出来たが
母は働いた。小さな僕を祖母に押し付けてまで。
祖母は可愛がってくれたが寂しかったのは憶えてる。

「どうして僕のママはいつもいないの?」と
祖母に質問している場面が脳裏に朧気に映る。
多分小学校に上がる前だ、5歳くらいかな。
毎日のように言ってたな、この質問。
今思えば僕なりの寂しいのサインだったんだ。

最初は僕のことが嫌いなんだと思っていたが
小学生くらいから、少し見方が変わった。
母親は自分が働きたいから働いてるんだ、
どんなに僕が寂しくても一緒にはいてくれない、
子供より自分が優先なんだと解釈するようになった。

確かに子供の頃の僕は、母親が傍にいない理由を
母は僕のことより自分のことが大事なんだ、
転じて僕のことはそんなに大事じゃないんだ、
と理解していた。
タクの語りの海の中で、思考が揺蕩う。

「小さな子にとってママは
 俺らが思うよりずっと特別なんだ。
 それに小さな子ってのは常に
 ママの愛情に餓えてるようなものなんだ。」

目から鱗が落ちた。

そうか、餓えてるのか。
どんなに与えてもすぐに餓えちゃうのか。
持ち越しも保存も利かないのか。
なら常に与え続けないとね。

要するに、子供は常に親に傍にいて欲しいんだ。
でも生きていく為にはそういうわけにいかない。
親が傍にいない理由を、子供は子供なりに
考えて理解してるってことだ。

子供にとって寂しいはかなりのストレス。
心の発育の妨げになるね、確実に歪む。
でも親が傍にいない理由が
「子供である自分の為」だとわかれば
愛情を感じられて、歪みも少なく済むのかな。

親の自己犠牲から子は愛情を量るってことか、
そういうとこもあんのかなぁ、
自分じゃよく憶えてない実感も無いけど
子供の時の気持ち思い出すと、そうかも。

「サリはママに一番、傍にいて欲しいんだよ。
 我慢出来るけどすっげー辛いんだよ。
 そんな辛い思いさせてまで、必要なことなの?」

才能も将来も大事なものだけど
それはどれも先のもの。
サリちゃんの生まれたばかりの心は
今現在の話で、先の話じゃない。
そして寂しさは子供の心を歪ませる。

僕もメイサちゃんもここまで何も反論出来ず。
他人の価値観を根底から覆せるって
誰にでも出来ることじゃない。
確かな経験から生まれた言葉は強かった。

「将来の、メイサが考える幸せと
 サリの幸せは違うかもしれないでしょ?
 でも今のサリの幸せは、ママと一緒にいること
 なのは間違いないんだよ。」

タクちゃん、畳み掛けるなぁ。
もう僕もメイサちゃんもわかってきたよ。
子供に寂しい思いさせても碌なことに
なんないよってことだよね。

よっぽどの理由がないと、子供も納得
出来ないし、納得出来なきゃ
そのまま歪むよってことだよね。
納得が歪みを修正してくれてんだってね。

それ以来メイサちゃんの教育熱も
すっかり落ち着きを見せた。
とりあえず、小さいうちは一緒にいようと
今のところは決めているらしい。
そうだね、習い事とか小学校からでもいいよね。

長男パワーから父パワーに進化した幼馴染が
最高にカッコイイと思った。
とても同い年とは思えない、
子供のことを真剣に考えていて
「立派」の言葉が相応しい。

僕を置いて、いつの間にやら立派なパパに。

テーマ:日記 - ジャンル:恋愛

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コメント閲覧

タクさん、カッコイイです!私も小さいときは、構ってくれない両親に対して、見返す事で復讐しようと思ってました。でも、大人になってからそ気持ちは変わりました。復讐なんてしても結局、自分は満たされないって。要するに親に構って欲しかったんだなって。今なら思えます。
【2011/12/31 01:39】 URL | 梅酒ロック #- [ 編集]

三人とも素敵です
さすがtoyoさんの幼なじみですね…。誠実に思いやりを持って生きてきたタクさんの深みを感じます。
教育への気持ちが強くても、タクさんの言葉にすんなり従えるメイサさんも立派だと思います。
でも、そうやって落ち着いた話し合いの場がある、という環境はtoyoさんのフォローあってこそですから、お忘れなく…。
今はママたちの生き方考え方が超多様化してるから、メイサちゃんは今後もまだまだ迷うかもしれません。ギャルやってるママもお受験に血道をあげるママも混在してますから…。まだまだ出番は続きますよ~?

今年はサリちゃんのことで、toyoさんもいっぱい勉強したのではないでしょうか?
山ほどいろんな我慢したり、犬も喰わないケンカを仲裁したり、じっとこらえて聞き役したり…忍耐力がかなりついたのではないでしょうか?
縁の下の力持ちとして、サリちゃんの幸せをいっぱい支えてきましたもんね…。
toyoさんに、新しい年にもたくさん良いことがありますように、初詣ではお祈りしてきますねっ。

お疲れさまでした~。

【2011/12/31 23:12】 URL | まや #- [ 編集]

働く
私も子どもが1歳になったら保育園で働く気満々でした。
でも、どこの保育園もいっぱいで萎えちゃったんですよね~。
それで、小さいうちは子育てに専念することにしました。
毎日公園に連れて行き、子育てサークルみたいのにも参加したし、時には遠出の動物園や自然公園に行ったり。
お金をかけなくても教育できますよ。
ひらがな、カタカナ、日本地図、九九などお風呂で出来るシートも売ってるし、百マス計算などはパソコンで作ってました。
ネットでいろいろダウンロード出来るし、図書館でいっぱい本を借りて読み聞かせも出来ます。
親が教育熱心でも子どもが勉強好きかどうかも分からないし。

働くのはサリちゃんが幼稚園に行ってからでもいいかもしれませんね。
ほんの数年です。

先日、小さい頃の写真をいっぱい撮ってあったのを息子に見せたら、反抗期の最中なのに喜んでみてました。
想い出をたくさん作ってあげるのもいいかなと.....。
【2012/01/04 22:02】 URL | R #- [ 編集]

>梅酒ロックさん
梅酒ロックさんこんばんは。
僕も見返してやりたいと考えてた時期ありました。
今は全然思っていません。
同じですね。
構って欲しかったんですかねぇ~
根っこの部分にその感情があって
その上に、自分を放置し否定してきたことを
後悔させたい、してもらいたい、みたいな。
我ながら屈折した思いが芽吹いたのかな?
と、今になってわかったことですね。
手段を選ばず親の視界に入りたかったんですね。
【2012/01/05 16:53】 URL | toyo #- [ 編集]

>まやさん
まやさんこんばんは。
すんなりといったのは、タクちゃんの説得の賜物です。
理屈っぽくて頭でっかちな僕でもすんなりと
腑に落ちたんですから、凄いと思います。
でもメイサちゃんの考え方も決して間違ってはいないので
完全に諦めたかどうかはまだわかりません。
僕の見立てですが、また3年後か5年後あたりに
この論争が起こるんじゃないかと睨んでます。
今回一番勉強になったなと思ったのは、
個人間で方針を決める意見が真っ向から対立した場合
完全中立の第三者がいると話が早く進むんだな~
ということです。
今回も僕は一切意見伝えてないんです。
ただそこにいるだけでも、冷静な話し合いが結論まで
出来るもんなんですね~びっくり。
毎回こうなら楽なのに…
遡れば他にも沢山、勉強になりました!
もうほんとに沢山。
素晴らしい経験させてもらいました。
なんかスゴい得した気分ですよ。
人生捨てたもんじゃないですね、生きてるって楽しい♪
僕も初詣行きましたよ!
サリちゃんが健やかに幸せに育ちますようにって
神様にお願いしてきました。
なのにおみくじは凶でした。
多分今年も正面の行列スルーして
裏からこっそり近道しちゃったから…
【2012/01/05 17:13】 URL | toyo #- [ 編集]

>Rさん
Rさんこんばんは。
ネットでダウンロードなら僕でも出来ますね!
そんなことまでタダで出来ちゃう時代なんですか…
凄いなぁ。素晴らしい時代。
お風呂場に貼れるポスターみたいなやつ
平仮名&片仮名とアルファベットと
1年生で習う漢字のやつを買いましたよ!
お店でたまたま見かけてつい買っちゃったんですけど
メイサちゃんはすっごく喜んでくれました。
タクちゃんには「まだ早過ぎるだろ…」と呆れられました。
地図や九九もいいですね、見かけたら購入してみます。
とても参考になりました。ありがとうございました。
【2012/01/05 17:25】 URL | toyo #- [ 編集]

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