僕を埋め尽くす秘密
バイでリバの♂が恋愛仕事人生等に悩みながらも真面目に生きてるよ

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自由1
2人の今後について話をした。


僕と彼が付き合い始めてから変わったことは、
喧嘩の度に彼は「出て行け」の台詞が増え
僕は「別れる」の台詞が増えた。

今回仲直りした時に固く誓い合った。
喧嘩で感情に任せて、この台詞を使うのは止めようと。
2度と言わないと約束をした。
もし言うことがあれば、それは本気の時だと。

僕は舌の根も乾かぬ内に、この台詞を使った。
勿論感情的なんかじゃなくて、本気でだ。
彼にもそれがわかったみたいで、
真面目に話し合ってくれた。

もうすぐ彼の新しい仕事が始まる。
そうなったら彼は海外と日本を
行ったり来たりするような生活になる。
それどころか軌道に乗るまでは
1年の殆どを海外で過ごすんじゃないか?

そうなった時、僕には遠距離恋愛は無理だと伝えた。
バカ正直に大人しくただ待ってなんかいられない。
別にHがしたいからとか、そういう理由じゃない。

自分が知らない間のことを気にするのが嫌だからだ。
気にしなきゃいい、言うのは簡単だ。
実際そうもいかないだろ、嫌いや無関心ではないんだ。
少なくと好きな内は、気になるだろどうしても。

彼は真っ先に「別れたくない」と言ってくれた。
それは本当に嬉しかった。
しかしこちらも試すつもりで言ったわけじゃない、
罪悪感がちりちりと胃の辺りを刺激する。

身も蓋も無い言い方をすれば
100%僕の自己都合だ。
彼にとっては理不尽の極みだ。
このままでは話は進まない。

だから2人で、妥協点を探ることにした。

彼が海外に渡ったとする。
一ヶ所に長期留まることもあるだろうし
各地を転々とすることもあるだろう。

渡航期間は恐らく月単位か。
数日で戻ってまた数日行って、じゃ
交通費バカにならないもんな。
細かいことは実際行ってみなきゃ
わかんないって言うんだからな。

そして日本に戻ってきたとしよう。
日本で数日を過ごし、また海外へ赴く。
暫くはそんな生活が続くんだよね、そこは確定。

この日本に滞在するであろう数日を、
僕と一緒にいたいって。
そこは僕も賛成なんですけどね、うん。
出来れば僕もそうしたいけど。

今までのお前とじゃ無理だな、というのが僕の回答。
理由はシンプル、絶対喧嘩になるからだ。
日本に帰って来る度に腹の探り合い隠し合い、
疑心暗鬼で些細なことに引っ掛かって
怒鳴り合いの罵り合い。容易に想像出来るな。

絶対そんなことにはならない、と
お前もキッパリ言えないだろ。
まず疑うのはお前だろ?
引っ掛かるのもお前じゃん。

でさ、こっちも思うんだよ。
なんでテメェにいちいち疑われなきゃなんねぇんだと。
それでこっちも怒っちゃうからね、絶対。
どうしてそんな怒られ方をされるのか?
言わなくてもわかるだろ。

彼は言葉を失くして黙り込む。
しかし言いたいことは山ほどあるという目をしてる。
要するに納得なんかしていないという顔だ。

僕は彼の次の言葉を待った。
こういう話の時の僕の悪い癖は、
熱が入ると僕ばかりが喋ってしまうことだ。
会話ではなく一方的な責めになってしまう。
そして彼が言った。

「それってさ、相手が俺じゃなかったら
 今こういう話にはなってないってことなの?」
「その通りだね。」

また暫く間が空く。

「お前だって似たようなもんじゃん。」
「だからお互いの為に良いって話だろ。」

また間が空く。

「俺に行くなって言ってんの?」
「それは違う。寧ろ行くべきだよ。
 でもそれとこれとは別問題。」

彼の夢を邪魔するつもりは全く無いんだけど
邪魔してるようになっちゃってるのもわかる。
彼にしてみりゃそう見えるだろう、
彼の理想の形くらい、僕もわかってる。

でもそれがさ、どれだけ図々しいことなのか
どれだけ重い甘えなのか、わかってて言ってるのか?
僕が疑われる、信用されない、そこはこの際どうでもいい。
一番嫌なのは喧嘩になることだ。
不毛な言い争いはしたくない、これが一番の望み。

骨の髄まで我儘が染みついた彼でも
決して愚かな人間ではないので
僕の言い分は全面的に理解しているらしい。
己の図々しさも含めて。

「浮気しないって約束するんじゃダメなの?」
「そんなもん信じられるわけないだろ。
 逆に俺がそれ言って、お前信じられる?」

また沈黙。
そうだよね、そうなっちゃうよね、黙っちゃうよね。
本当はお互い全部わかってんだからさ。

浮気をしようがしまいが、本当は関係無いんだよ。
お互い相手を信用出来ない、そこがこの問題の胆だろ。
長年培ってきたツケが今2人にどっと降りかかってる。
清く正しく真っ当に生きてきた人は正解だ。

話し合いのスタートからここに至るまで
およそ3時間は経過していた。
録画していた3時間番組が
調度エンディングを迎えていたからだ。
文に直してほんの8行で済む会話なのに。

彼の溜息が止まらない。
何か言葉を紡ごうとして、溜息で壊してまたやり直し。
漂う雰囲気はとにかく嫌だ嫌だと言っている。

色恋沙汰でここまで困惑する彼を見るのは貴重だろう。
しかも別れ話でここまでゴネる彼というのは
まだ誰も見たことが無いんじゃないか。
優越感が無かったと言ったら嘘になる。
同時に自分は幸せ者だな、と思ったりもする。

「絶対喧嘩しないから。」
「しないわけないだろ。」

「本当にしないから。」

今までの彼とは違い、言葉に全く力が無かった。
疲れ果ててするっと毀れた言葉のように聞こえた。
これはどっちだろう?
心の篭っていない上辺だけの言葉なのか、
逆に究極の自然体的な、本気の言葉なのか。

この次に彼がまた言葉を発したが
あまりにも力を失い過ぎて聞き取れなかった。
小声でブツブツ呟いている感じだ。
姿勢は頭を抱え顔を下に向けているので尚更だ。

聞き取れないと伝えると
力を振り絞って少し声を張り上げてくれた。

「別れたくない。」

今度は僕が答えに詰まり
独り頭の中で色々と考えてしまう。
別に俺じゃなくてもいいんじゃね?とか
すぐ新しい相手見つかるだろうしとか
そこまで自分に拘る理由は何なんだろうとか。

別れたくないって、それだけ言われても
こっちも回答に困る。
あぁもう話がちっとも先に進まない。
僕ももう、頑固な彼を納得させる術は浮かばない。
完全に手詰まり。

「じゃあさ、お互いの妥協点を探ろうか。」
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