僕を埋め尽くす秘密
バイでリバの♂が恋愛仕事人生等に悩みながらも真面目に生きてるよ

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初老3
63歳さん初出勤から5日目のこと。
彼は5日でどれだけ成長したのか?
それが驚くほど成長していなかった。
相変わらず指示が無ければ動かないし
こちらは逐一指示する余裕も無い。

ただカウンターの中が狭くなっただけだった。
これでは僕の仕事の効率が下がってしまうので
3日目には63歳さんには
カウンターの外にいてもらうことにした。

外側で掃除でもしてもらおうと
壁や椅子用の濡れ雑巾と
カウンターテーブル用の台布巾を渡した。
そしたら全部雑巾で拭かれてしまった。
もう、あれだけ言ったのに、言ったのに!

僕が改めてテーブルを拭き直し、
雑巾だけを渡して椅子や壁やドアだけ拭いてくれ、
と頼んだにも関わらず
またカウンターとテーブルを丁寧に拭いていた。
マジか、喧嘩売ってんのか。

何を頼めばちゃんとやってくれるのか
僕にはわからなかったので
ついにカウンターの端っこの席で
ちょっと座って待っててくれと頼んだ。
そしたら30分後、寝てた。

僕はもう泣きそうになって
これなら多少狭くなっても
カウンターの中に入れた方がマシだと考え
再び中へと呼び戻した。

そしてカウンター内で最も簡単であろう仕事、
洗った灰皿の水滴を拭くという仕事を頼んだ。
先日グラスの洗い物を頼んだら
3つも割られたのでグラスは避けた。
そしたら灰皿用の布巾でグラスも拭いてた。

こんな調子で5日間、
僕はそろそろ忍耐の限界を感じていた。
そりゃさ、年寄りなら色々と
不便もあるだろうとは思っていたさ。
体力的にも記憶力的にも色々とさ。

だからある程度は許すつもりでいたんだ。
自分だっていつかは老いる日が来るのだし
その時に新しい仕事を始めたとして
今のようにこなせるだろうか?とかね、
僕なりに色々考えたんですよ。

この人さ、多分年齢のせいじゃないんだよ。
きっと若い頃からこんなもんだったんだよ。
だって60代でもシャキッとしてる人
最前線で現役バリバリの人、沢山いるよ。

若い頃有能だった人間が老いただけで
ここまでポンコツになるとは考えにくい。
この人は若い頃からポンコツだったんだ。
そして老いたことでより一層
ポンコツに拍車がかかっただけだ。

となると結論は1つだ。
どうやって辞めてもらおうか。
どうやってこの話を切り出そうか。

気まずいからマリさんに丸投げしちゃおうかな、
僕のこれまでの貢献度を考えたら
それくらいしてもいい気はするんだ。
そうだ、よしその作戦でいこう。と僕が人知れず方針を固めたその時、
63歳さんから「あのー」と声を掛けられた。
相変わらずの小声で。聞こえねぇっつの。

「なんですか?」
「今日で5日目ですけど、いつになったら
 社員契約の話になるんですか?」

は?

と思ったけど声には出しませんでした。
そこを堪える理性と社会性はギリギリ残ってた。
がしかしちょっともう、呆れを通り越して
怒りすら覚えるこのポンコツジジイの厚かましさ。

だが待て、落ち着け、僕は大人だ。
そしてこれは仕事だ。
こんなことでいちいち感情的になっては
立派な社会人とは言えないのではないか。
答える前に深呼吸をしよう。すーはー

「誰にも何も言われなくても僕と同じことが
 出来るようになったら社員待遇になりますよ。」
「そんな、話が違うじゃないですか。」

えっ?

こいつ超絶ポンコツのくせに
今すぐ僕と同じ給料よこせって言ってんの?
あ、だめ、もうイライラしてきた。
しかも今は営業中、しっかりしろ俺。
もういいやマリさん、後は頼んだ。オナシャス!

というわけでマリさんがいる店の場所を教えて
その話はそっちで話してもらって~と言って
63歳さん仕事上がっていいよ!お疲れ!と
ほぼ強制的に帰ってもらった。

その後マリさんから聞いた話だと、
63歳さんはそのままマリさんの店に行き
「話が違う!」と強く抗議しまくった上に
最終的に話が拗れて「訴えてやる!」との
捨て台詞を吐いて店を出たそうだ。

どうやらマリさんも
「コイツ社員とかありえねぇ」と
思っていたらしい。そりゃそうか。
僕の報告内容を信じてくれたんですね。

しかし何故そんなに社員に拘るのか。
別にバイトでも同じくらいの月給なら
それでよくない?あんなポンコツで
そこまで稼げるとは思えないけど。

そして後日、当店に63歳さんの妻襲来。
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