僕を埋め尽くす秘密
バイでリバの♂が恋愛仕事人生等に悩みながらも真面目に生きてるよ

07 │2017/08│ 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

新記事

全記事

全タイトルを表示

月別記事

逃げられない
中学卒業の時、一人の女子が君に告白をしたと人伝に聞いた。

僕はその話を聞いて、目の前に暗幕を掛けられたように思えた。
無性に不安になった。
他の事が頭に一切入らなくなるくらい、人の声も聞こえなくなるくらい
頭が混乱していた。
噂などではなく、今すぐにでも君に全てを問い質したかった。
しかし君を目の前にしても、僕は何も聞けなかった。
怖かったからだ。展開を聞くのも、相手のことを聞くのも、何もかも。
それに、冷静に普通に世間話の流れで聞ける自信が無かった。
それくらい、焦りと不安に駆られていた。
こんなところでボロを出してたまるかと、僕は平静を装った沈黙を選んだ。

いつもの帰り道、突然君から話を切り出した。
この時の会話は今でも忘れない、一言一句憶えてる。

「お前さ、誰かから聞いた?」
「何を?」
「俺が告られたっての。」
「うん。聞いたけど、俺には関係無いし。」
「断ったよ。」

嬉々と安堵が大きな津波となって僕を巻き込んだような気分だった。
一気に身体の力も頭の力もつま先から抜けていく。
油断してたら思わず腰が抜けそうになった。
しかし津波が不安を一掃した後、また一つ二つと不安の種が芽生える。
君はきっと、これからもっと魅力的になるだろう
それこそこんなことはもう、日常茶飯事になるかもしれない。
その度に僕は、いちいちまた頭を抱えて
不安で胸をえぐらねばならないのか。

「どうした?」

一人で苦悶する僕の耳に、君の声が突き刺さる。
大好きな君の声、この瞬間僕の中で何かが壊れた。

「ごめん、ちょっとトイレ行きたいから先行く」

こう捨て台詞を吐いて、君を置いて一番近い店のトイレまで走った。
今となっては本当にちゃんと台詞が言えてたかどうかも微妙だ。
運良く個室が開いていた。扉を閉めて鍵を掛けた。
声を殺して、溢れる涙を制服の袖で抑え付けるように拭う。

頭が痛い、目が痛い、耳が痛い、喉が痛い、胸が痛い
僕は一生、この痛みから逃れられない。
苦しかった。それでも君が好きだった。

TOP

検索