僕を埋め尽くす秘密
バイでリバの♂が恋愛仕事人生等に悩みながらも真面目に生きてるよ

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変化2
前記事の続き。

この日、そのままサトルはうちに泊まった。
翌日、と言っても朝方だったので当日だけど
その日花火大会があるって聞いてたから、
どうしても彼と一緒に行きたくて誘った。
花火は日本人のロマンです。

少し寝て夕方に起きて花火大会に備えて支度して、
開催時刻の1時間前に家を出た。
僕のバイクで2人乗り。既に楽しいのは僕だけか。
開催地に近付くにつれて人の群れが大きくなる。
思ったより混雑してそうだ。

適当な場所にバイクを停めて2人で人混みの川にダイブ。
この流れに従って辿り着いた、だだっ広い会場。
こんなに広いのに、人がぎっしり溢れんばかり。
人類繁栄しすぎじゃないのかちょっと。

全貌を見渡せない程に広い会場の
隅っこの暗がりに、スペースを確保。
半径10mの周囲に誰もいない。
こんなに混雑した会場なのになんでここだけ?

よくよく見たら僕らの場所は駐車場スペースで、
建物や看板の位置と角度が悪く
花火が一部欠けてしまうような場所だったから。
まぁいいよね、8割見えれば。

なんかね、すっごい楽しかった!
特に彼が楽しそうにしててご機嫌でさ、
「外で飲むビールは美味い!」とご満悦。
花火もダイナミックで綺麗。
テンション上がった外国人の集団も大はしゃぎ。

今年の夏も、素敵な想い出いただきました。
自分が楽しいかどうかよりも
彼の楽しむ姿が隣で見られて、幸せだと思った。
この人のこと、本当に好きなんだと思った。

別に僕のものにならなくてもいいかな、
昨日の例え話を思い出した。
こんなに楽しそうにしてくれたら、
それもまたアリなのかな。
胸がチリチリと痛む。

帰る人の群を見送りながら、自分達の番を待つ。
急ぐ予定もないので2人の雑談が続く。
喧騒が遠退き、次第に彼の声だけが
クリアに耳に届くようになる。

「まだ好きなの?」
「うん。」

主語が無くてもわかります。
多分この時、僕は相当にこにこ笑顔だったんだ。
表情から感情だだ漏れ、彼はそれに気付いただけ。
隠したつもりもなかったから、質問には驚かなかった。

彼が渾身の溜め息を吐く。
そして「昨日話したじゃん」と呟く。
あぁ、あのピンと来なかった話のことか。
それが何か?

「お前には家族が必要だと思う。
 でも俺は他人だから、家族にはなれないし、
 子供だって産めないしね。」

そんなことわかってるよ。
そんなこと、そもそも君に望んでないよ。
それにどうして家族になれないの?
と言いかけて口を噤んだ。

僕が彼を信じなかったからか、
彼は1度家族になろうとしたのに
それも僕は断ってしまったからか。

今思えば浅はかだった。
彼がそこまで本気で真剣に、
考えていたとは思わなかったから。

過去の自分が捨てたものの重さが
今やっとわかった。
そこそこの重さはあるだろう、なんてもんじゃ足りない。
とてつもなく重たいやつを、僕はぽいっと捨てていた。

もしかしてこの流れ、彼が望んでいるのは
「いい加減諦めてくれ」なのかな。
自分のことなんて早く忘れて
結婚とか視野に入れながら生きてくれ、てこと?

どうしても、そうして欲しいの?ほんとに?
自分じゃ穴埋めは無理だったからって、
いやでも待てよ、コイツそんな、
人の幸せなんて望むような奴だったっけ?

僕の目の前にいるこの人は一体誰なんだ、
僕が知ってるサトルとはまるで違う気がしてきた。
それとも僕がずっと誤解してただけなのかな。
色眼鏡、かけてた?

「どういうことなのか、わからない。」

精一杯答えたのに、彼は一言
「バカな振りすんな」と一蹴。
振りじゃないし、多分バカだし。
お前が思ってるよりは遥かにバカだよ?
そっちも俺のことちょっと誤解してるとこあるよね。

今ここで引いたら、2度と届かない気がした。


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