僕を埋め尽くす秘密
バイでリバの♂が恋愛仕事人生等に悩みながらも真面目に生きてるよ

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花火
自業自得男と夏花火。

毎年夏の縁日や花火大会、今年は誰と行くのかなと
梅雨の頃くらいから頭を掠めて僕の夏が始まる。
今年はまさか全部タクと行くとは思わなかった。

最初の祭はサトルだってまだいたのに
僕の仕事が遅くなって行けなかったし
その次と次の祭はサトルが行っちゃってたし、
1回くらいはメイサリちゃんと行けるかと
思ってたのに、保育園の人達と行くって。

残されたタクと僕、男は孤独で悲しい生き物だね。
いやタクの場合は完全自業自得なんだけど。
缶ビール片手に焼鳥食ったりイカ焼頬張ったり
大音量で流れる祭囃子には古いテープの音が混じる。

タクは昔から淋しがり屋だった。
独りぼっちが大嫌い、でも多人数はいらない。
1人か2人、じっくりと自分の傍にいてくれれば
大丈夫というタイプ。僕は安定のぼっち余裕。
気の合わない奴といるよりは独りの方がいい。

最近のタクはどっかおかしい。
わかりにくいけど精神的に安定してないような
どんな話をしていても心此処に非ず、
かと思えば急に自棄糞っぽくなったりする。

やっぱり家族に捨てられるのは怖いのかな、
家庭が壊れるってどんな恐怖なんだろう。
僕にはさっぱりわからないですけど。
だったら最初から大切にすればよかったのにさ。

だからかな、タクに同情する気はあまり無い。
でも彼の不安定さは心配になる。
まさか誘惑されるとは思わなかったしね、
トチ狂うにも程があるだろ。

とりあえず冗談てことにしたけど
それくらい追い詰められてんのかな、精神的に。
トヨが女だったら良かったのにとか
酔う度に言ってるから質が悪い。
昔の僕が聞いたら泣いてるよ。

人の気持ちとか考えてる余裕も無いのかな、
本当言うとね、今からでも遅くないと思うよ。
まだギリギリ間に合う、タクが心を入れ替えれば。
メイサちゃんなら許してくれると思う。
タクが悪い所全部改めれば。

大勢の人間が下町の狭い道に大河を作り
花火大会の会場を目指してる。
皆我こそはと特等席を探し向かう中、
見慣れた横顔と後ろ姿を遠くに見つけた。

3人の若い女性と手を繋いだ子供たち。
保育園で新しく出来たママ友なんだろう、
メイサちゃんの表情が妙に明るくて
まるで別人のように見えて、切なかった。
男じゃ女の代わりにはなれないと証明された気がして。

タクは気付いていなかった。
どうかそのまま気付かないでいてくれと
僕は急に歩の方向を変え、流れに逆らう。
タクの腕をしっかりと掴みながら。

「去年空いてた場所があるから」

去年サトルと行った場所だ。
大きな橋のすぐ側で仮の駐車場になっていて、
少し暗いけどその分花火は綺麗に見えるし
人も来ないという、いわゆる穴場。
今年もやっぱり穴場だった。

「サトルと来たの?」
「うん。」

「ラブラブなんだねそっちは。いいねー」
「そうでもないよ。」

去年ここに来た時はラブラブではなかったから
嘘は言ってないからいいよね。
自業自得とは言え傷心ズタボロな彼の前で
リア充オーラ全開なんてとてもじゃないが無理。
今は喧嘩も少なくなって上手くいってるけど。

花火の爆音と共にとりとめのない会話が続く。
壊れたスピーカーのように同じ結論を繰り返す。
タクは今変わらなきゃ駄目だよ、失いたくなければ。
今失えば、同じ間違いを繰り返してまた失うよ。
そのままのお前じゃ誰も受け入れてくれないよ。

結婚とか一生を添い遂げるってさ、
しんどい時に一緒にいられるかどうかだよね。
誓いの言葉は「幸せにします」じゃないんだよ、
「一緒に苦難を乗り越えます」が正しいでしょ。
この人となら不幸になってもいい、みたいな。

タクとはそう思えないんでしょメイサちゃんは。
そりゃそうだろと僕でも言うよ。
僕がメイサちゃんの立場だったら?
うーん、結構大丈夫なんじゃないかな、
端から他人をあてにしない逞しさがあるから。

でも女って男を頼りたくなるもんなんじゃない?


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