僕を埋め尽くす秘密
バイでリバの♂が恋愛仕事人生等に悩みながらも真面目に生きてるよ

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紳士
約束を果たした日。

もう一度会おうと誘われていた
紳士さんに会ってきた。
初めて会った時と同じ場所で待ち合わせして、
同じ車で迎えに来てくれた。

僕は行き先を知らないまま、連れてこられたのは
落ち着いた大人の雰囲気のダイニングバー。
とても未成年の僕では1人で来れないような、
メニューの値段も名前も敷居の高さを窺わせる。

「だから正装してきてって言ったんですね。」
「そう、この店ドレスコードあるからね。」

僕はこの日、入学式の為に買ったスーツを着た。
彼は「スーツも似合うね」と車の中で
大人の微笑みで褒めてくれた。

明らかに料理人の手の込んだ高級料理を前に、
バーテンダーの渾身のカクテルを片手に
約1ヶ月振りの再会を祝う。
そして会わない時を埋めるかのような、深い話。

彼は自分の話をするよりもまず、僕のことを
知りたがっていた。
今までのこと、今のこと、これからのこと、
あらゆる質問を投げ掛けられた。

それも殆どが恋愛の経験を軸にした話。
だから思わず、僕も事実をありのまま話した。

今好きな人がいて、でもその人は幼馴染の同性で、
初めて出逢った時から7年、ずっと片想いを続けてきて
脈は皆無でも、諦めきれずに未練たらしく
今はそいつと同居までしてると。
だから家に帰らない日々が続いてることも教えた。

彼の反応は至って冷静、眉一つ動かさずに
僕を見据えて話を聞いていた。
そして僕が一通り話し終えた後に一言。

「ノンケに恋しちゃ駄目だよね、辛いだけだから。」

そうなんだ、これは駄目なんだ。
確かに辛いことだらけ。報われることは何も無い。
報われるとすれば、それは恋愛ではなく本来の友情から。
わかっていたけど、面と向かって改めて言われると、ね。

「その彼のどこに惚れたの?」

この質問に、僕は精一杯答えた。
ただ「全部」と言うのは簡単過ぎて味気無いから、
思いつく限り全部並べてみた。
まるでこのブログを、現実に口頭で再現するかのように。

途中で自分から話を打ち切ってしまった。
言ってて自分で辛くなって、言葉が続かなくなった。
僕の最後の言葉は

「こんなこと言っても、どうにもならないし。」

だった。
彼は一呼吸置いてから「頑張ってるね」と言った。
まぁね、でもそれも全て無駄なんだけどさ。
僕だって好きで頑張ってるわけじゃないよ。

そんな話を何時間もして、店を出て、
車に乗って次はどこに行くのかと思えば

「好きな所まで送るよ、勿論家でもいいけど。」

あまりにも意外だったので、つい本音が出た。

「え?何もしないの?やらないの?」
「え?やりたいの?」

車内で繰り広げられる、何だか間抜けなやり取り。
僕はその時、そこまでやる気満々では無かったけど、
でもここまできたら普通セットじゃない?

そんな疑問をぶつけてみたら、彼は子供のように大爆笑。
笑う理由を問い質せば

「いや、ごめん。若いっていいな~と思って。」

と、軽くあしらわれた。
何となく自分の幼さを見透かされた気になり、
気恥ずかしさから窓の外に目を配り軽い現実逃避。
言葉を失った僕を気遣うように、彼から話題を続けてくれた。

「toyoがしたいならいいけど、でも無理する必要は無いし、
 僕のことは気にしなくてもいいよ、どちらでもいいし。」
「俺もどっちでもいいんですけど、」

「じゃあ今日はやめとこうか。
 それともどこか行きたい所ある?」

行きたい所、急に言われても思いつかない。
でもまだ帰りたくない。
それならいっそのことホテルって言っても良かった。
どうしよう、まだ帰りたくない。

「まだ帰りたくないんで、任せます。」

彼がどうしようかなと迷った末に連れて行ってくれた場所。
それは都内某所の埠頭公園。
黒い海と空に広がる夜景が綺麗で、それを目当てにした
カップルもまばらに見える場所。

「女が喜びそうな場所ですね」と、かなり失礼な発言の僕。
「こんな所しか思いつかなかった」と申し訳なさそうな彼。

「男同士で来る場所じゃないっすよ。しかもスーツで。」
「だよねぇ、僕もそう思う。こりゃ失敗したな~」

「失敗でも無いですよ、俺こういうのも好きだから。」
「そう?それなら嬉しいんだけど、良かった。」

2人でただ並んで、周囲を見渡す。
こういうのも悪くないなと新しい発見をした僕と、
そんな僕の様子を見て安堵する紳士な人。
傍から見たらどんな関係の2人に見えるんだろう。

「よく来るんですか?こういう所。」
「いや、全然。今日はちょっと特別。」

「何かいいことあったんですか?」
「そりゃこんな若くて可愛い子とデート出来たら、
 僕みたいなオヤジにしたらいいことだよ。」

「俺全然可愛くないっすよ?」
「この歳になったらね、若いってだけで充分可愛いよ。」

一瞬垣間見えた、紳士な人のオヤジな部分。
そこが以外にも僕のツボに入った。
あれ、この人ちょっと可愛いな、みたいな。

勿論この公園での会話は全て小声。
海風に掻き消されない程度に、でも相手にだけは
ちゃんと伝わるような、ギリギリの音量。
2人の身体の距離も適度に保ちつつの会話だった。

そして何故か気分が良くなって、
本当にそのまま何もせずに僕は家まで送ってもらった。
この余韻があれば、家に帰るのも辛くない気がした。

車の中で去り際に、お礼を言った。
「今日はありがとうございました」って、
そう素直に思えたのは初めてのことだった。

彼は「じゃあまたね、連絡するから」と言って
車の扉のロックを開けた。
その音を合図に僕の方から彼の頭に手を添えて
キスを仕掛けた。

彼は余裕の笑顔を見せたまま、僕が車を降りるのを
見届けて手を振った。
「また連絡するね」と繰り返して。

きっとまた、この人には逢えるだろうな。
部屋への階段を軽い足取りで昇りながらの予感。

テーマ:◆大人の恋愛◆ - ジャンル:恋愛

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コメント閲覧

こんばんは、toyoさん。お久しぶりです。
なんか随分大人な雰囲気にビックリ。
スーツでダイニングバーなんて、私にとってはドラマや映画みたい笑
toyoさんが何でも話せる様に出来る雰囲気を作り出せるの、凄いなぁ・・・。
ホントに紳士ですね、その方。
そしてtoyoさんも安心している?のかな?
全てを誰かに話すことが出来て、良かったですね☆
チョットは・・・カナリ?すっきりしたのではないでしょうか(^^)。
【2006/05/28 02:56】 URL | えり #- [ 編集]

さすが紳士
大人な対応ですねぇ。あたしもたぶんtoyoさんみたいな反応しちゃうと思う。でも彼のその大人な反応にとても深い優しさが感じられます。相手を気遣うことができるのは、彼に昔なにやらあったからかも。そういう大人になりたいですね。なんだかんだ、まだまだ子供ですから。
【2006/05/28 11:54】 URL | southtokiyo #- [ 編集]

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【2006/05/28 13:38】 | # [ 編集]


「ノンケに恋しちゃ駄目だよね、辛いだけだから。」
確かにそうなんだよね。片思いしたときに嫌って言うほど痛感した。それでも諦められなかったけど。

ところで、家に帰るのがつらいの?
最近の記事は明るいのばかりだから、安心してたんだけど、そうでもないみたいだね。
タク君を避けるために一人暮らし決めたのにね。こればっかりは何もアドバイスできないけど、toyo君が悩んで出した答えなら正しい方向に行くと思うよ。
【2006/05/28 14:35】 URL | 3h #SFo5/nok [ 編集]

>えりさん
えりさんこんばんは。
スーツでバーなんて僕も初めてですよ。
もうね、大人って凄い~
金持ちってわからねぇ~って圧倒です。
僕なんか若過ぎてその店では明らかに
浮いてたと思います。
他のお客さんとか店員さんの
「何この若僧」的な視線に怯えてました。
10年、いや、20年早いですよ。

自分でもね、何で自分の話が出来たのか
今でも不思議です。
今まで誰にもいったこと無かったのに。
多分彼が同じゲイだったってことと、
30を超える年齢差のお陰であちらにも
懐に余裕が感じられたからかもしれません。
すっきりも出来たし、確かにその時は
安心もしてました、少しだけ。
でもまだ少しだけでした。
【2006/05/28 18:56】 URL | toyo #- [ 編集]

>southtokiyoさん
southtokiyoさんこんばんは。
そうですね~凄く自分が幼いと感じました。
もう大人には全然敵わないです。
今まで自分を大人だな、と思ったことは
無いはずですが、甘かったなって思いました。
伊達に僕の倍以上生きてないです。
過去に色々あったんでしょうね~
18年生きてるだけでもそれなりにありますし。
大人ってカッコいいですよね。
【2006/05/28 18:57】 URL | toyo #- [ 編集]

>雪乃さん
雪乃さんこんばんは。
掲示板出会いは僕も散々コケましたので、
そのお気持ちはわかります。
とりあえず相手から公表された数字と画像は
全く信用出来ないと学習しました。
逆にメールは性格出るみたいですね、これ大事かも。

で、男にモテる方法…コメント憶えてますよ。
条件を纏めるとこんな具合ですか。
「色白、儚げ、可愛さ、健気、優しさ、柔かさ、
 家庭的、清楚、正義感、天然…」
いくつかクリアしてるものもありますね。
家庭的と健気と優しさは自分で言うのも
おかしいですが、彼からそう評価されてます。
なので「料理に興味を持ったtoyo」という
イメチェン作戦は無効です…勿体無い。

可愛さと柔かさはどうしたって女には
敵わないですよ、男ですから。
男の可愛さもありますが、女のそれとは完全に
別物です。真似しようものならオカマキャラに
徹するしかありません。
せいぜい弟キャラが関の山でしょうね、
相手はノンケですし。

清楚…要するに遊んでない雰囲気ですよね。
見た目は今の所その要素はありません。
髪も黒髪ですし、ギャル男でも無いし。
でもこれはもう挽回不可能な気がします。
諦めました。

またここでも自分の過去が足枷ですか…
【2006/05/28 19:00】 URL | toyo #- [ 編集]

>3hさん
3hさんこんばんは。
その紳士さんの台詞、聞いた時から
ずっと僕の中に残ってしまいました。
確かにそうなんですよね、今痛感してます。
でも諦められないです、みたいなね。

家に帰るのは…はい、実はそうです。
記事にはなるべく日常の明るい出来事だけを
探して選んでいたんですけど。
実は2人きりの時とか、ちょっと
僕が苛々してしまったりして、それで
たまに彼に八つ当たりしてしまうんですね。
それが自分でも嫌だから、少し冷静になれるまで
距離置いておこうと思ってこんな処置です。
自分でも苛々の原因がよく把握出来なくて、
頭の中に小さな虫がいるみたいな感じです。
ほんと上手く言えないんですけど、ここだけの話。
【2006/05/28 19:00】 URL | toyo #- [ 編集]

長期戦でいきませんか
(ご面倒ならレスは不要です)
レスありがとうございます。真面目に検討されたんですね。
私もまたひつこく真面目に返信しますが、「家庭的、料理が好き、可愛い、柔らかい」な要素がすでにおありとは。
私に言わせれば半分勝ったも同然です。
今時の若い女の子って料理しまへんで!私の時代でもロクに料理してる女の子はいなかったんだから、今の若い子なら推して知るべしです。
また、彼が今お付き合いしてる彼女ですが、toyoさんの文面だけで判断すると、”自分の手を汚さずに他人を攻撃する”ちょっと悪質なタイプだと思われます。もちろん私の周りにもいました。
今はお付き合いしたばかりで、仲良しでしょうが、その内破局はくると思います。(詳しく書くとエグイ内容になるのでやめます)
その時がくれば、傷ついた彼を慰めてあげればどうでしょうか。検討を祈ります。
【2006/05/28 20:56】 URL | 雪乃(ゆきの) #- [ 編集]

>雪乃さん
雪乃さんこんばんは。
勿論長期戦ですよ~何十年でも。
かなり真面目に検討しました、実は。
う~んこれは無理だな、これはOKだな、とか。
可愛い、柔かいは無理です。
その代わり健気と優しさを鍛えます。
半分勝ったも同然ですか?それは嬉しい…
破局…この2文字は複雑な気分ですね。
でも今既に彼がちょっと無理をしてる風では
あるので、長続きは無理かな~と思いつつも
男女の仲はわからんしなぁ~とも…
もしその時が来たらここぞとばかりに
自分売り込みますね。
しかし男同士でどこまで通用するかは微妙ですが。
これは実は今から密かに計画中です。
【2006/05/29 18:12】 URL | toyo #- [ 編集]

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