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僕を埋め尽くす秘密
バイでリバの♂が恋愛仕事人生等に悩みながらも真面目に生きてるよ

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夜景1
2度目の独り暮らしで初めての休日。

メールのやり取りで近況を伝えた紳士さんに
「会いたい」と誘われ応じた。

何日振りの再会になるんだろうか。
紳士さんは相変わらず“紳士”で、
僕も相変わらず地味な貧乏学生だった。

2人の共通点なんて性癖以外は
殆ど見当たらないのに、何故か話題は尽きない。
これも偏に紳士さんの話術の賜物。
僕が憧れる、大人の男の包容力。

この日もまたいつものように、
敷居の高い店での食事から始まるのかと思ってた。
しかし今回はもう少し気楽な、創作アジア料理のお店。
周囲から仕切られた個室席で、これは紳士さんの趣味みたい。

紳士さんもいつものような綺麗なスーツではなく、
休日の格好だった。僕もそんな感じ。
そして話題は相変わらず、僕の話。

メールではあまり詳しい話はしていなかった。
ただ、君が独立して僕が独り暮らしに戻ったと、
それしか教えていなかった。

店を出て車の中で、またいつものように
次はどこに行くかという話になった。
僕はまだ独りになりたくなくて、
綺麗な夜景を見せて欲しいと望んだ。

湾にかかる橋を渡って、辿り着いた場所は
この辺りでもかなり有名な海沿いの公園。
紳士さんは海が見える夜景が好きみたい。

そこで車から降りないままで、少し話をした。
君との同居解消までにあったことの全て。
そして同居解消の日の、少しの会話。
僕から全て打ち明けた。誰かに聞いて欲しかった。

狭い車内に響く嗚咽。
涙ながらにさぞ聞き取り辛い話だっただろう。
それでも紳士さんは最後まで聞き逃すまいと、
僕の話に耳を傾けてくれた。

「あんなに好きだったのに、駄目だった。
 こんなに好きなのに、どうしても上手くいかなかった。
 何が悪かったんだろう、どうすれば良かったんだろう。」

誰にも言えなかった後悔の言葉が、
溢れ出して止まらない。
紳士さんの手が伸びて、僕の髪を撫でる。
そして唇を寄せて額にキスをして、自分の肩へと導く。

「うち来る?」

もしよければだけど、と控え目な誘い文句。
僕もまだ独りにはなりたくなかった。

紳士さんは奥さんと別居中で、完全な独り暮らし。
高級住宅地の一つとして有名な街の一角。
大きな窓からはこの国一有名な塔が闇の中で細く輝く。
男の独り暮らしには広過ぎる、そんな部屋だった。

そこで夜景を見ながら紳士さんに珍しい珈琲を
御馳走してもらった。
ハッキリ言って、珈琲党の僕好みの味。
とてもコクも香りも芳醇で、いかにも高価な味。

部屋の明りを間接照明だけにして、
紳士さんの好きな曲を流して、
夜景の中で楽しむ珈琲時間。

「一度やってみたかったんだよね、これ。」

と紳士さんは照れ臭そうに、僕の隣に腰掛けた。
僕の肩に手を回し、これでもかと大人のムードを演出。
社会人ってやっぱり凄いなぁ、なんて呑気な感想。
僕の物差しで見ると、若干くどめのロマンチストさん。

紳士さんから僕に触れるのは、顔と頭と手だけ。
それ以上は僕に触れようとはしない。
僕もその意思を汲んで、同じ範囲でしか触れ合わない。
それが今の紳士さんと僕の距離感。

「いつまでいていいですか?」
「toyoが帰りたくなるまでいいよ。」

「それなら今日は泊まっていきます。
 明日、俺が朝飯作りますよ。」

紳士さんは意外なくらい驚いていた。
僕が料理をするとは思っていなかったらしい。
最近の若い子は偉いね~なんて褒め方をされた。

客人用の部屋とベッドまで備えた家だったけど、
僕はそこを使わずに紳士さんと同じベッドで寝た。
だからといって、何もせず、ただ一緒に寝てるだけ。
軽い毛布の中で、少し手を繋いで抱き合っただけ。

僕の今の心理状態を汲んでいてくれたのかも。
僕は全くその気にはならなかった。
とてもじゃないけど、それどころじゃなかった。
もう虚しいのは沢山だったから。

自分でも気付けないくらい、ショックは大きかったみたい。

テーマ:*不倫 de 純愛* - ジャンル:恋愛

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