僕を埋め尽くす秘密
バイでリバの♂が恋愛仕事人生等に悩みながらも真面目に生きてるよ

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女と3ヶ月
高校1年の冬、君がまたとある同級生の女から
告白されたことがあった。確かバレンタインの時だった。

その時も一度は断ってくれたけど、その女がなかなか
押しの強い女で、いつの間にか僕らの間に割り込んで
周囲から「彼女候補」の認定を受けていた。
君はお人好しだから、有りのままを受け入れてた。
僕は正直その女が憎たらしかったけど、君の手前
無碍に扱うことも出来ず、適当に愛想を振りまいていた。
そして今度はいつの間にか、既成事実も作っていたらしい。
候補から「事実上彼女」に昇格していたわけだ。
しかも自ら自分の友人にそう吹聴していたというから驚きだ。
なかなかの策士だな、とその一点だけは感心した。

君が僕と過ごす時間を割くことは無かったけど、
今までは2人で過ごしてきた場面が3人に増えた。
一応まだ優先してもらっているんだと安心した反面
このままじゃいずれはと考え、僕もその女の友人一人に声を掛けた。
元々その女から「私の友達でアンタ好きな子いるよ」と
聞いていたから、落とすのは簡単だった。
これなら一緒にいる口実も作りやすいし、何より不自然ではない。
君以外の他人を利用することに、躊躇は微塵も無かった。

そしてバレンタインから3ヶ月後、君とその女は突然破局していた。
僕は驚きと喜びと若干の同情を感じていたけど、
君がえらく落ち込んでいたのでつい不安になって尋ねてしまった。
「本気で好きだったの?」との僕の問いに君は
「それはない」とだけ答えた。しかも即答だった。
それだけじゃ、強がりかどうかもわからない。
もし君が本気で好きだったならと思うと
あの女が羨ましい反面、憎たらしいという感情が沸いた。
では何故そんなに落ちてるのか、気にすることはないんじゃないかと
尋ねたところ、君は「言い難いんだけど」と前置きして語った。

「あいつ、他に好きな男出来たんだと。」
「ふーん、うちの学校?」
「つーかお前なんだと。」

流石に僕も唖然とした。おいちょっと待て、何故僕なんだと。
更に君がぽつぽつと語ってくれた状況を要約すると
君が振られた理由が、女の気が僕に向いたせいで
僕は当時そいつの女友達と、僕に気は無いが付き合っていて
それで女同士で僕を挟んで奴等は気まずい関係になっていて
君はその女を大して好きではなかったから振られたことは
まぁいいとしても、僕と比べられたことの方がショックだったと
そして更にぶっちゃけて、自分に言い寄った女よりも
僕が付き合ってた女の方がどちらかと言えば好みだったと。

「俺もさ、お前のことかっこいいとは思ってたけどさ、
 流石に2連敗すると何かもう、切ないっつーか情けなくてさ。
 俺そんなにかっこよくないかなぁ?駄目かなぁ?」

君は笑いながら煙草を吹かす。少しヤケクソっぽく言うので
僕も釣られて笑いそうになるも、流石に僕がそれをやったら不味い。
と言うより、僕はこの場合何て言えばいいんだ。

「いや、俺より背も高いしガタイもいいし顔も性格も男らしくて
 申し分ないかと。そもそもそいつら趣味悪いんじゃないかと。」
「うわー嫌味だよそれ。まぁ冗談だけどさ。」

お互い肩の力を抜いて笑いながらの会話だったから
本気で嫌味に思ったわけでは無いのはわかったけども、
しかしあいつ等、何て女達だ。趣味が悪いを通り越して馬鹿だ。
僕が君に言ったことは、嫌味でも何でもなく、僕が普段から
君を見て感じている本音だったし、事実だ。
僕は寧ろ君の身長も含めた男らしいルックスに好感を持っていたし
憧れでもあったし、何より君より素晴らしい性格の人間を
見た事が無い。裏表の無い優しさとか、面倒見の良さとか
気難しい僕の相手を難なくこなせる器の大きさとか
人間性の全てにおいて僕より一回りも二回りも上だと思ってた。
君も他人も気付かない、君の良さを知っているのは僕だけなのか
とことん教えてやりたいが、うっかり更なる本音を漏らしそうだ。

「俺は君の方が全然かっこいいと思うよ、全部ね。
 そのままで充分。何も駄目じゃないよ。ぶっちゃけると
 俺ちょっと憧れてるとこあるし。」

これ以上上手く言えなかったんだけど、伝わったかな。
思い出しても我ながら変な日本語だったから、微妙だな。
僕の「憧れてる」の部分に君は少し気をよくしてくれたみたいで
笑顔で本当に?どこが?どの辺?と追求してきた。
可愛らしいと思いつつ、僕は照れた振りをして適当に誤魔化した。
うっかり言わなくてもいいことまで言いそうで。
誤魔化す僕に業を煮やした君は「で、お前どうすんの?これから」と
話題を変えてきた。
内心はそりゃ決まってる。君が別れたのなら僕もこれ以上
女達に付き合う必要は無い。そのまま意思を伝えた。
君は「それじゃ彼女が可哀想だろ」と僕を窘めたが
元々そのつもりだったし、僕は可哀想だとも思わなかった。
そもそもこんな昼ドラマのようなドロドロした人間関係に
巻き込まれたくないし。

最後君には「お前のそういうとこ良くないぞ、もっと人の気持ちとか
考えて行動しないと。」とプチ説教を食らったわけだが、
それすらも嬉しく感じてしまう。でも僕は君ほど優しい人間には
一生なれそうもない。愛情の分散なんて出来るほど器用じゃない。
本当に見る目のない馬鹿な女達だと思った。
しかし、君の好みがあいつだと知って、ちょっとショックだったり。
でも君が僕のことを少しでも「かっこいい」思ってることが
聞けただけでも良しとした。素直に嬉しかった。

とにかく面倒が一気に片付いてすっきりした。
ただ少し、気まずかったけど。嫌な汗かいてたな、あの時。
3ヶ月間、自分お疲れ様でした。
しかしこんな性格最悪で不器用で低身長で無愛想な僕の
どこが良かったんだろうか。女って意味不明。
君の方が、全然僕より魅力的なのに。

テーマ:男と女 - ジャンル:恋愛

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