僕を埋め尽くす秘密
バイでリバの♂が恋愛仕事人生等に悩みながらも真面目に生きてるよ

07 │2017/08│ 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

新記事

全記事

全タイトルを表示

月別記事

血2
別々に登校する時いつも会う駅のホーム。
君は開口一番に僕の異変を指摘した。

「おはよう。寝てないの?顔色悪いよ。」

僕はぼやけた頭で上手い言い訳が思いつかず
軽く生返事しか返せなかった。
今思えば勘の良い君のことだから、きっとこの時点から
異変に気付いていたんだろう。

学校に着いてから僕の眠気はピークに達し、授業中に爆睡。
体育の授業があるからと一時的に君に起こされたが
そのままサボって人の来ない場所で一人で一服してた。
授業内容が持久走だと聞いていたから
こんな体調ではとても無理だと思った。
それに着替えの最中に包帯を人に見られるのも嫌だった。
そして昼休み教室に帰ると、君が僕の席で待っていてくれた。

「袖から包帯みたいなの出てるよ」

この君の一言で、残る眠気が一気に吹っ飛んだ。
きっと寝てる間に少しづつずれたんだろう。
もっときつく縛れば良かったと後悔しながら
僕は慌てて袖の中に押し戻した。
君は間髪入れず、且つ僕の様子を窺いながら
どこを怪我したのか?いつ?どうやって?と質問の礫だ。
迂闊だった。動揺して咄嗟に上手い言い訳が思いつかない。
暫し黙してさっきまで眠っていた脳を必死に揺り動かす。
どうする、このまま濁しても逆に怪しまれるのがオチだ。
事実が事実だし、これ以上は追求されたくない。
今更ここで事実を言うわけにはいかない。
僕には嘘を吐く選択しか残されていない。しかし自信は皆無。

「何でもないよ、昨日夜中に夜食作ろうとして火傷して」
「さっき、包帯の端に血付いてたけど?」

墓穴を掘ったと知った途端、これ以上抗う気が一気が失せた。
ちくしょう、火傷なんて言わなきゃ良かった。
でも他に包帯巻く程怪我する理由なんか思いつかなかった。
君の目が、僕の目の動きを追っているのがわかる。
確実に怪しまれてるし、同時に心配されてるのもわかる。

「持久走サボったのもそのせいか、見られたくないとか?」

本当に君の勘の良さには舌を巻く。
それ以上言葉にする必要も無く、君は無言で問いかける。
でも、僕もこれだけは僅かでも答える訳にはいかなかった。
僕はそれ以上何も答えず、君も言葉では何も聞かなかった。
ただ僕を心配そうに、じっと見つめる視線だけでも
僕は充分にいたたまれない気持ちになってしまう。
何か気の利いたことでも言わなくちゃ、言わないと。

「心配させてごめん、でも本当に何でもないから。」

懸命に搾り出したものの、結局こんな曖昧が精一杯だった。
僕のこの中途半端な回答でも、この時君は渋々納得してくれた。
少し間を空けて「今は聞かないけど話せる時に言ってくれ」と
いつになく真剣な顔で僕に言ってくれた。
こんな僕を心配してくれてありがとう。
君が僕を信頼してくれてるの、凄くよくわかった。
やっぱり君と友達になれて良かったと、心の底から感謝した。

テーマ:★過去を振り返る★ - ジャンル:恋愛

TOP

検索