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僕を埋め尽くす秘密
バイでリバの♂が恋愛仕事人生等に悩みながらも真面目に生きてるよ

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イブ2
前記事「イブ1」の続き。

僕らの地元の近くまで走った。
実家より少し離れた場所にある、小さな公園。
高台に設けられた住宅街の中にあって、
人の気配は無い。傍を通る人影も無い。
ここが僕らの目的地。

この公園からは夜景がよく見えた。
周囲は住宅街だから、有名な夜景には
到底敵わないものだけど、それでも綺麗だ。
夜景の中に、僕らの通った高校もうっすらと光る。
高校時代もたまに訪れた、小さくて小綺麗な公園。

そこで一番高い滑り台の頂上に2人で上った。
自然と会話は高校時代の話に流れた。
それから中学時代の話も混じって、
君は更に高い場所を見つけた。

「あのベンチの上の屋根の方が高い。」
「あそこ素手で登るの厳しくないか?」

「隣の木に登って、そこからジャンプで。」
「あの木、お前が登ったら折れないか?」

不安要素ばかりを漏らす僕を尻目に
君はベンチに無邪気一直線。
それに釣られて僕も大人しく徒歩でとぼとぼ。

少しでも高い所へ登りたかった。
そこから一番の景色を2人で見たかった。
最高の環境で、最高の時間を過ごしたい。
子供染みたこだわり。

気分はすっかり身体の大きな小学生。
木登りなんて何年ぶりだろう、
君が先に木に登って、屋根に乗って、
後発の僕は君に手を差し伸べられた。

僕はその手を離さなかった。
離さないままずっと握り締めた。
君はそれを受け入れてくれて、
振り解こうとはしなかった。

一番景色が広がるポジションに2人で並んで座り、
繋いでいない空いた手は
寒さを凌ぐ為ダウンのポケットに。

高校、中学、と話が出たので
気分のままに小学校時代の話へ。
僕がずっと聞いてみたかった、あの質問。

「俺さぁ、転校して来てずっと態度悪かったじゃん。」
「あぁ、今じゃ考えらんないくらいにな。」

「何で話しかけてきた?」
「俺が?」

「うん、普通放っとくだろ。」
「あぁ、確かに。」

君は繋いでいた手を自分のポケットの中にしまった。
僕の手も道連れに。
それから君の回答が始まった。

「俺さぁ、お前が転校して来た時の
 先生の紹介とかお前の挨拶、
 全然聞いてなかったんだよね。」
「うん。」

「だからお前の名前とかも全然知らなくて。」
「何で聞いてなかったの?」

「多分寝てた。」
「ふーん。」

「それで、うーん、実はお前の見た目だけで
 判断して、最初は女子だと勘違いしてた。」
「はぁ?」

「いや、ちょっと話したらすぐわかったよ?
 お前まだ声変わりしてなかったけど、
 確か、すぐに誰かに教えてもらったかも。」
「俺が男か女かって?」

「うん。」
「バカじゃねーのお前。」

要するに、君は最初に僕を女子だと思ってて、
そして紹介の時に名前を聞きそびれて、
名前を聞こうとして話しかけたのがきっかけで。

ついでに言うと、君は僕を可愛いと思ったそうで。
そして男だと知り、かなりガッカリしたそうで。
まったく、大きなお世話ですよ。

この白状の瞬間、君は一番照れ臭そうにしていた。
あのいつもの、口元に手を添える癖。
君が気まずかったり、心穏やかじゃない時の仕草。
昔の僕より今の君の方が、よっぽど可愛い。

ちょっとしたときめきエピソードを
ほんのり期待してたのに、何だそれ。
数年の時差を経て今度は僕がガッカリですよ。
慣れ親しんだ間抜けな空気。

確かに小学校の時は僕も髪が長くて
女子みたいだったし、周囲にもよく間違えられた。

その原因は、両親が僕の養育に気が回らず
散髪なんて基本的なことも
放ったらかしにされていたから。

それは君には言葉でハッキリ教えていないけど、
君もうっすら気付いているんじゃないかな。
気付かれていなくても、勿論構わない。

それに僕は早生まれのせいか身体も小さかったし、
顔立ちも外国人だった祖母の影響も強く出ていたし、
君の言う通り声変わりもまだだったしね。

そう言えば僕を育ててくれた祖母が亡くなってから
1度自分で散髪して失敗したことがあって、
それ以来セルフ散髪は躊躇してたんだよね。
だから君に出逢う頃も、髪が長かったんだ。

うーん、聞かなきゃ良かったような、
聞いて良かったような、複雑な真実。
些細なことなんだけど、プチげんなり。
君らしいっちゃあ君らしいエピソード。

この暴露以降も僕らはずっと手を繋いだままで、
小学校の話からお互いが知り合う前の話までして、
最後は今の、そしてこれからの話だったか。

とても寒かった。
途中で買った飲み物も冷えてしまった。
やたら煙草が美味かった。
刺すような冷たさに、煙草を挟む指が痺れた。
冬の夜空が一番好きだ。

暗い早朝の帰り道は、もっと痺れる冷たさ。
風を切る素手が痛みを帯びて、
君の両ポケットに手を突っ込んだ。

テーマ:男同士の恋愛 - ジャンル:恋愛

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コメント閲覧

そんなお2人、とっても素敵だと思います。素敵。
【2006/12/25 16:56】 URL | 名前がありませ #- [ 編集]


え~…立派なときめきエピソードなんじゃないの?
手を繋ぎながら「可愛いと思った」なんて。

シチュエーション的には、かなりロマンチックだと思うけども。

なんにしても心に残るクリスマスになったようで、よかったですね!


【2006/12/26 11:44】 URL | 輝 #- [ 編集]

>no nameさん
no name(名無し)さんこんばんは。
初めましてかもしれません。
僕らよりも素敵にラブラブな2人は
もっと沢山いるような気がします。
自分では普通だと思います。
【2006/12/26 23:03】 URL | toyo #- [ 編集]

>輝さん
輝さんこんばんは。
実際は…記事には書いていないですが
2人とも寒さで鼻水ズルズルでした。
勿論ハンカチとかティッシュなんて
上品なアイテムは所持していないので、
こっそり袖でどーにかしちゃってたり。

しかも「可愛いと思った」って言われたのも
若干小馬鹿にされた匂いを醸し出していました。
必要以上に物凄く残念なニュアンスで。失礼な奴です。

…ロマンチックでしょうか?
【2006/12/26 23:07】 URL | toyo #- [ 編集]

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