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僕を埋め尽くす秘密
バイでリバの♂が恋愛仕事人生等に悩みながらも真面目に生きてるよ

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未遂
君の苦悩を、僕も体験したよ。

僕の友人が自殺を図った。結果は未遂。
そろそろ薄着に移り変わる季節、
友人が僕の自宅にふらりと遊びに来た時
手首の真新しくも雑な応急処置を惜しげもなく晒していた。

もしもと思いつつ、何食わぬ顔で
「それどうした?」と尋ねたら友人は正直に答えた。
2人で珈琲を飲みながら、何気ない会話が始まった。

友人が理由を話してくれた。気持ちはよくわかった。
全部辞めてみたくなったんだよな、
それで逃げられた気分を味わいたかったんだろ。
僕も逃げたいと思ったことはあるから、わかったよ。

前日の夜、僕はこの友人と携帯で喋っていた。
その最中に友人は自宅のベッドの上で手首に刃物を当てた。
酒を浴びるほど飲み、睡眠薬の代わりに
眠気の副作用を持つ市販薬をあるだけ飲みもした。

僕と携帯で何気ない会話をしている最中、
友人がプツリと無言になった。
会話の最中しきりに眠い眠いと呟いていたから
喋りながら寝ちまったのか、と思った。

電話の最中も本当は「何か変だなぁ」とは思っていたけど
まさか手首切ってるなんて想定外。

「びっくりした?ていうか引いた?」
「う~ん、微妙。」

友人は何度も僕に「引いた?」と訊ねる。
僕はその都度ハッキリとは答えられずに唸るだけ。
きっと僕に嫌われたくないと思って聞いたことだろう。

「そりゃ驚いたけどさ、引いたってのとは違う。」
「そう?驚いてる?意外と冷静じゃない?」

「全然、今でもかなりテンパってるよ。」
「バカな奴だと思ったでしょ?自分でもそう思うけど。」

まぁ、確かにバカだとは、いや、僕はそうも思えない。
辛かったんだろ?寂しかったんだろ?
少し楽になりたかっただけだろ?
本気で死ぬつもりだったわけじゃないだろ?
僕もわかるから、バカだとは思えない。

友人の傷は1つじゃなかった。
ハッキリしたものから細かいものまで
数える気も失せてしまうような無数。

細かい傷はいわゆる「躊躇い傷」かもしれないが、
ハッキリした傷の中には明らかに治りかけてる、
最も新しいものより時差を感じさせるものもあった。

「結構やってんだろ。」
「最近だよ、全部。それまで自分はこんなこと
 しないと思ってたから。癖になるって本当だね。」

「癖になるとも限らないよ、ほら。」

僕も、自分の傷を指差して見せた。
1つだけだし、隠す必要も無いと思って
普段から自然に晒していた腕の傷。

「嘘っ!その傷、そうだったの?!」
「いつもは猫に引っかかれてそれっぽい傷に
 なっちゃった~とか言ってるけどね、実はそう。」

「なんで?」
「まぁ色々と。でも1度で辞めてるし、多分もう
 一生同じことはしないと思う。」

僕と友人は違う人間だけど、癖になるとは限らないから、
それだけは知って欲しかった。僕が証明になってるから。
本気で癖を直したいなら、安心しろ。必ず直る癖だから。

「傷大きくないね、けど深そう。ザックリいってるね。」
「カッターだったんだけどさ、切れ味悪過ぎて痛くて
 途中で止めたっつーヘタレなオチなんだけど。」

「あはは、何それ、だっせぇ~!」
「ダサくて悪かったな。でもカッターは
 マジオススメ出来ない。ありゃ痛いぞ。」

「剃刀は切れ味いいよ、痛みもあまりない。オススメ?」

こんな殺伐とした中で初めて笑った友人。
僕のヘタレも役に立つ時もあるんですね。
ていうか道具の品評してどうすんだか、
不謹慎極まりない、経験者はかく語りき。

現実味が無く、悲壮感も漂わない不思議な空気。
それなりに凄いことなはずなのに、
2人して妙にあっけらかんとしてて軽い空気だけが空回り。
これも動揺のせいだろうか。

友人が僕の腕を手に取り、完治した傷跡を指先でなぞる。
蚯蚓腫れのように膨らんだ部分の神経は
鈍っているせいか、少しくすぐったい。

「手首っていうより、腕だね、ここ。」
「手首には硬い腱があって太い血管には届きにくいって
 知ってたから、無意識でも少し上を狙ったんだと思う。」

「そうなんだ、トヨってマジに無駄なこと
 本当に良く知ってるよね~」
「本当に無駄だね~」

「てか無意識だったんだ。」
「うん、気付いたら痛てぇ、みたいな。」

こういう時、普通なら「もう止めろ」とか
「こんなことするな」とか叱るものだろう、
君も僕にそうしてくれたっけ。
だけど僕にはどうしてもそれが出来なくて、
ついつい無駄な世間話が続いてしまう。

「さっきから喋ってるけどさぁ、普通怒らない?」
「だから~俺も怒れないんだって。俺が怒ったって
 説得力無いじゃん。気持ちわからんでもないし。」

「実は怒ってる?」
「よくわかんねぇ。」

友人に「変な奴」と言われてしまった。
そんなに変かなぁ、それとも僕は冷血なのか?
きっと僕に経験が無くても、怒りはしなかっただろうし。
ダメかなぁ、こういう性格。

朝日の淡い光が、部屋の明かりと窓の近くで交差する。
眠らずに2人で下らない話に興じ、時の存在を忘れていた。
唐突に真面目な話をしだした僕。

「本当に死ぬ気なら手首なんか切らないよな。
 手首なんか切ったってそう簡単には死なない。」
「そうだね、人間案外丈夫だな~と思った。」

「でも、運が悪けりゃこれだけでも死ねるよ。
 俺達は運が良いか悪いかは別として、運で今生きてるの。」
「へぇ~、ちゃんと死ねるんだ。そりゃそうか。」

「がっちり動脈切れば血は簡単に止まらないよ。
 でも手首の動脈ってさ、結構奥にあるんだよ。
 だから手首切り落とすぐらいの勢いが必要。」
「へぇ~。」

「生きた肉は硬いからね、かなり力込めないと切れないよ。
 それに真横一線じゃ腱と神経も一緒に切るだろうから、
 めちゃくちゃ痛ぇぞ~。」
「本当に無駄なこと良く知ってるね。」

本当に無駄な知識だね。
でもこの知識のお陰で僕は、死ぬのも面倒臭ぇなと
悟れた事実も見逃せない。痛いのは嫌だもん。

楽で確実な死に方もあるよ、ただしそれには
果てしない勇気か絶望が必要で。
僕も友人もその手段を選択しなかったのは、
まだそこまで絶望していない証拠。

正直自殺がいいのか悪いのかも僕にはよくわからない。
死んだ方がマシな生き地獄だってこの世には存在する。
死ぬ気になれば何でも出来る人間の底力もある。
自殺を否定するだけの根拠を、僕は知らない。

一人になった今わかる、僕は友人と過ごしていた間
ずっと動揺していた。ずっと怖くて震えてた。
その怖さを隠す為、見て見ぬ振りをする為に
敢えて何食わぬ顔で不謹慎な話ばかりしていた。

しかし友人の惨状を一人になって思い出す今、
もしもの最悪を考えてしまい、身体が震える。
震えが止まらないよ、もしもが怖くて。

死ぬ気なんか無いんだよな、だから選ぶリストカット。
コスプレや風俗のイメクラみたいなもんだよ。
でも、運次第じゃそれで死ぬんだよ。
それが僕は怖いんだ。

君も過去にこの恐怖を体験をしたんだ。
悪夢だね、これ。
この悪夢を君に体験させたのは紛れも無い、僕だ。
僕は君に、とても酷いことをしたんだね。

数年の時差を経て、やっと己の過ちがわかったよ。

テーマ:日記 - ジャンル:恋愛

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【2007/06/01 23:17】 | # [ 編集]


しんどい体験なんだね、聞く側というものも。
そりゃあそうか。
そうだよね。

私も昔 腕やら太ももやらを切ってたんですが
今トヨくんのすごい知識(笑)読んでたら怖くなったぞっとした、
ぞっとしたし神経のとこで「オォウ!」とかちいちゃく叫んだ。笑

どんな どうにもうならない事で悩んでいるのかは分からないし
私の場合に限ってかも知れないけど、
一生懸命になって自分を追い込むことと
自分を追いつめることとの
区別をちゃんとつけるのも大事よね。

その人も、早く直せると良いですね。
【2007/06/02 00:43】 URL | だらこすた #mQop/nM. [ 編集]

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【2007/06/02 16:55】 | # [ 編集]

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【2007/06/02 21:39】 | # [ 編集]

>匿名さん
匿名さんこんばんは。
誤解かどうかはわかりませんが、
僕は自論を述べたに過ぎず、対象を誰かに
絞りながら言葉を綴ったわけではありません。
1つ気になったこととして、同情が嫌いなら誰かに
「○○してあげたい」という発想は
僕には無いな~と考えたわけです。
「する」「した」ならわかりますが、
その前段階の「あげたい」が僕には同情以外の
何物にも見えないので。
ここが理解し難いポイントでした。

…ということを述べたに過ぎません。
その思考回路の行きつく先、結論の信条として
最後の一文が生まれただけです。

頭が悪いからって人に伝える為の文章の
クォリティまで下げるのはいかがなものかと思われます。
「頭が悪い」はふざける言い訳にはならないかと。
正直、何が仰りたいのか意味不明でした。
【2007/06/03 01:58】 URL | toyo #- [ 編集]

>だらこすたさん
だらこすたさんこんばんは。
本当にそうだと思いました、聞くだけでも
結構しんどいものだと。
全然関係無いと言われればそうなんですけど、
友人となると絶対無視出来ません。

ぞっとするのは医学関係者でも無ければ
健全な精神だと思います。それで正解だと思う。
死の匂いがする自分の痛みにぞっとしなくなったら、
精神が健全では無くなっていると思うのです。
ぞっとしながら痛みに耐えてこそ人であると思う。

早く癖直して欲しいっすね、切実に。
【2007/06/03 01:58】 URL | toyo #- [ 編集]

>匿名さん
匿名さんこんばんは。
匿名さんのお話の中でいくつか僕にも心当たる
箇所がありました。何度と頷きました。
詳細は語りませんが。

匿名さんは同情がお好きだとのことですが、
えっと、すみません。全然アリだと思います。
僕も同情好きな人自体が嫌いなわけでは無いのです、
しかし大体、自分への同情を人間関係に求めてる相手が
僕の前に来て僕が嫌われて避けられる傾向にありますので…
ぶっちゃけ僕が「優しくない、キツイ」と見られます。
「自分は同情好きです!」なんて言える人ってのも
逆に潔いと言うか、なんかいいっすね、感服です。
潔い人と素直な人は大好きです。
それに匿名さんの仰る同情の良点、わかりますよ。
そういう一面もありますね、確かに。勉強になります。

まさか辞書持参とは思いませんでした、失礼しました。
あ~の~全然知的とかじゃないんですけど…
僕は逆に「麒麟」で麒麟児=司馬一族と
連想する程の病気ですのでもっと恥ずかしいです。
次の機会を心待ちにしております。
【2007/06/03 01:59】 URL | toyo #- [ 編集]

>匿名さん
匿名さん初めましてこんばんは。
手前勝手な発言をしてしまいますが、
その行為の理由にくだらないも高尚も無いと
僕は思います。思い詰めるものは人それぞれです。
ご自分の苦悩を卑下しないであげてください。
止めた今なら最低から一段上がってるとは言えませんか?

軽く受け止めるくらいが丁度いい、僕も地味に
調べ物をしたりしてその見解も今頭にあります。
僕自身のことを思い返しても、想像出来ます。
それが丁度いいって正しいとは限らないけども、
可能性は確かにあると思います。頷きました。

僕よりも秀逸な哲学コメンテーターさんがここも
沢山いらっしゃるので、僕も学んでる最中です。
もっと参考になりますよ~
こんな三国志バカの影響なんか受けちゃダメですよ、
と心から叫びたいですが三国志はどうぞよろしく。
ここだけは影響受けてくれたら嬉しいです、正直。
返信でこんな宣伝かます哲学者ありえませんよね
【2007/06/03 02:00】 URL | toyo #- [ 編集]

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