僕を埋め尽くす秘密
バイでリバの♂が恋愛仕事人生等に悩みながらも真面目に生きてるよ

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説得後
多分、生まれて初めてのこと。

人を殴った。
グーではなくパーで、つまり平手のビンタ。
殴ろうと思って殴ったわけじゃなかった、
その瞬間は無意識、咄嗟に手が身体が勝手に動いて
一瞬で怒りに達した自分にも気付かなかった。

僕の本気の嫌がなかなか通じなくて
何度謝られても後に同じことを平気で繰り返す相手に
本気の嫌を伝えたくて試みた説得だった。
もう2度とやめてくれ、本気なんだ、と。

話の切り出しは僕からの
「俺と腹割って話す気あるか?」だった。
相手はこの時まで、僕を少し避けていた。
どうせ僕の怒りが収まるのを待っていたんだろう、
そんなナァナァ戦術は使わせない。

この時に知った。
本気になるだけなら実はそう難しいことじゃない、
本気を出すことが難しいんだと。

普段から本気を出せる癖が身についていないと、
いざと言う時に出し方もわからない。
出さなければ、外からは見えない。だから伝わらない。
僕の決定的な弱点は、怒り方を知らないことだった。

恥も外聞も捨てて後先も置いて、全力で怒鳴った。
説得よりも説教になっていた。
大きな声を張り上げて、腹の底から叫んだ。

それでも伝わらなかった。
相手は普段から本気を軽んじて避ける癖があった。
マジになるなんてかっこ悪い、面倒臭い、
何でも適当にその場その場で程々に凌いでこなす。
そういう生き方を好んで選んだ奴だった。

当然僕の本気も躱わされた、最初は「はいはいごめんね」
この反応は予測出来たから更に詰めて逃がさない構えを取った。
次は「もうわかった!俺が悪いんだろ!今謝っただろ!」
逆ギレだってこちらの計算の内。

今回は逃がさない、ここまでの流れは今までも散々繰り返した。
逆ギレで終わらせて堪るか、今回で決着つけてやると決めた。
もう今までの僕とは違ってた。更に更に追い詰める。

 お前は自分が痛い目に遭わないとわからないんだよ、
 そうしないと学習しない人間なんだ。
 そしてお前は自分以外の人間、他人の心に疎い人間だ。
 俺が本気で嫌がってるってお前はわからない人間なんだよ。

 どうすればお前が人の感情を理解出来るか、俺も考えたんだよ。
 お前は俺に刺されるぐらいじゃないと、きっと俺がどれだけ
 本気で嫌がったのかわからないと思うんだ。
 それぐらいしないと、お前は理解出来ないんだよ。

 俺に殺されないと、お前は俺がどれだけ怒っているのか
 どれだけ俺を怒らせたのか、わからないんだよな。
 殺しちゃうぐらい本気なんだと見せてやらないとダメなんだ。
 違うか?

ここまで追い詰めた僕も相当追い詰められていた。
僕を追い詰めたのは彼で、彼は今僕に追い詰められた。
自分が殺されなきゃ相手の怒りの度合いも測れないなんて
己の鈍さに足元掬われてる。自業自得だ。

彼が家を飛び出して近所のドブ川の橋の欄干に上った。
後を追いかけた僕も彼も、秋の深夜に相応しくない薄着だった。
夜風が肌を撫でるように体温を奪っていった。

「ここから飛び込むから、それで許してくれ、信用してくれ。」

僕は今回、彼の逆ギレ交じりの謝罪も反省も一切信用しなかった。
何度も繰り返された流れだったから、彼も信用されない理由は
わかっていたからこの駆け引きを選んだ。

「結構高さあるぞ、死んだらどうする?」

僕のこの一言で彼は躊躇いが生じ、欄干を降り
ドブ川の岸に繋がれて浮かぶボートに勝手に乗り込んだ。
ハッキリ言って不法侵入だ。

「ここから川に飛び込むから!」

ハッキリ言うが、飛び込むなんて高さじゃない。
それじゃただのドブ川水泳にしかならない。
一体何がしたいんだこの根性無しは。

「言っとくが今お前が着てるのは俺の服、
 俺の服をドブで汚してしかもそれで俺の家に帰って
 俺の家まで汚す気か?お前ふざけんなよ。」
「じゃあどうすりゃ許してくれんの?信用してくれんの?」

「もういいから、早く戻って来い。」

彼はその場を動かない。
何故か勝手に拝借した僕のサンダルを脱ぎ、服を脱ぎ、
意味不明にパンツ1丁で他人のボートに不法侵入中。
ドブ川に足をちゃぷちゃぷ浸してますます意味不明。

「早く戻れ。話はそれからだ。俺が寒くて風邪引く!」

ドブ川に飛び込む勇気も無く、足でちゃぷちゃぷさせるだけが
精一杯の根性無しに呆れて怒鳴りつけて呼び戻し自宅に。
通り過ぎた隣家のTVの音が深夜にあるまじきボリュームに
なっているのに気付いて、僕の怒声が近所迷惑だったと知った。

家に戻って彼の足を洗わせ服も着替えさせてから
説教第2幕が始まった。
流石の彼もそろそろくたびれて、僕の本気も
うっすら感じてきたようだと表情から窺えた。

全体通して約2時間にも及ぶ僕の怒声説教、
彼も飽きてしまったのだろう。
僕の説教のテンションが少し緩みを見せた途端に
彼はまさかのちゅー顔。

この瞬間、僕は無意識に反射的に彼を張り倒した。
人が真面目に真剣に怒ってる最中に、
怒られてる張本人がいくら何でもふざけすぎだろ。
光の速さでカチンと来た僕の右手が彼の頬を打った。

ビンタされた彼のきょとんとした顔は今でも印象的で、
咄嗟に手が出た自分にも驚いて、この瞬間は
空間丸ごとが僕の脳裏に焼きついた。

ここまで話し込んで、次第に彼の理解も感じられた。
話が終わってすぐ、不思議なくらいいつも通りに戻れてた。
後腐れ、尾を引く、そんなものは一切無かった。

やっと本気が伝わった、やっとわかってくれた、通じた。
彼はもう2度と同じことはしないだろうと、
僕もやっと少し信じられるようになった。

本気になるのは容易い、それだけなら自分の中で済むから。
本気になると本気を出すは全然違うらしい、
僕も今まで本気を出すことは避けて怠けていたらしい。
出さなければ人に伝える、見せる、は不可能だと知った。

長い人生いつかは必ず本気を出さなければならない時がある。
本気を出して結果を作る時、本気を人に示す必要がある時、
どっちにしろ「出せる」能力って重要。

なるのは自分の気持ち次第で済むけど、
出すのはその時々で方法が全く違う。
本気の出し方、人への伝え方にマニュアルなんかない。

なると出すは全然違った。
僕も全力を出すことから逃げてたわけで、それじゃダメなんだ。
戦うべき時に戦わないといけないってことか。
それが本気。それが出来ない奴こそ負け組。

人を怒らせる、憎まれることがどういうことか?
人に嫌われるってどういうことなのか?
鈍感無神経が本当に人としての強みになるのか?
それで殺されちゃ本末転倒ってもんだろ?無意味だ。

平和な世でも、人生には本気で戦う時ってのはあるらしい。

テーマ:つぶやき - ジャンル:恋愛

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【2007/10/14 02:32】 | # [ 編集]


toyoさん、こんにちは。

己の変化をされたのですね。相手のためでなく自分のための変化。そうなんですね。
toyoさんのビンタは、相手に対する思いやりの鞭のように思えるのは私だけでしょうか。

私も相手から嫌われること、憎まれることに関しては別に何とも思ってないのでいつの日かぶち切れてやろうかとも思うのですが、そうすると姑いじめになるという……。
ここで愚痴っても仕方ないことですが、何かいい方法がないか模索中なのです。

何はともあれ説得お疲れ様でした。解決なによりです。

【2007/10/14 12:17】 URL | jin #- [ 編集]

toyo君、頑張りましたね
私は、やちゃったようですね
ボウリャクブジン、ボウジャクブジン
はっ、はっ、はっ
スルーしちゃいましょう、いつものことです(リアルの私)可哀相なやつだと思って下さい。

料理人、憧れですよ(ただ今勉強中)
【2007/10/14 16:50】 URL | 愛貴 #- [ 編集]

>匿名さん
匿名さんこんばんは。
憎むだけでも相当疲れるものですが、
怒るってもっと疲れました。
疲れた後の糖分は欠かせませんね。
【2007/10/15 04:13】 URL | toyo #- [ 編集]

>jinさん
jinさんこんばんは。
キレが出来るかどうかも相手によると思います、
僕も相手が姑だったら、自分が嫁だったら
ブチ切れ出来ないかもしれないし。
嫁って仮定がまず無茶ですけども。
だからキレればいい、成功するって
もんでもないと思いますし。
今回の僕はこの程度でわかってもらえて
寧ろラッキーなんじゃないかと思います。
人は対話で必ずわかりあえる、なんて
幻想は抱いていませんし、
どんなに頑張ってもわかってもらえない
話や相手も必ずあると思います。
【2007/10/15 04:22】 URL | toyo #- [ 編集]

>愛貴さん
愛貴さんこんばんは。
無駄話は苦手なので
返す言葉が何も浮かびません。
申し訳ございません。
基本的にはどんな内容でも
構わないというスタンスですが、
内容が無いと流石に対応も不可能です。
【2007/10/15 04:34】 URL | toyo #- [ 編集]

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