僕を埋め尽くす秘密
バイでリバの♂が恋愛仕事人生等に悩みながらも真面目に生きてるよ

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寸評
映画レビューに初挑戦。

こんばんは、toyoです。
初めましての方は初めましてこんばんは。
今日は何となく初挑戦したくなりました。
ぶっちゃけボツ記事の再利用です。エコ万歳。

レビューの映画は『ブロークバック・マウンテン』です。
このブログ見てる人は知ってる人も結構いそうですね、
ちょっと前にアカデミー賞だのゴールデングローブ賞だの
金獅子賞だの、各映画賞のタイトルを総なめの勢いだった
男の同性愛の映画です。

最初に言っておきます。
僕の自論は「ネタバレ怖くてレビューが出来るか!」です。
その辺の覚悟は各自でよろしくです。
今日は意味不明に強気です。

【ブロークバック・マウンテン】

最初に良いか悪いか、面白いかつまらないかを言えば
「良かった&面白かった」になると思います。
流石、数々の映画賞を獲りまくっただけありました。

しかし率直な感想を言うなら「こんな人生やだ」ですね。
時代も国も文化も違いますけど、
やっぱり他人事のように離れて見ることは出来なかった。

「こんな時代と国に生まれなくて良かった」とも思えましたが
今だって実はそんなに変わらない。共通点が無いわけじゃない。
とてもいい映画だと思ったし好きな映画だけど、
見終わった直後に一瞬、自分の人生が嫌になったのは事実です。

この映画から受けた印象で最も強いものを挙げるなら

「多種多様なコントラストのオンパレード」

でした。とにかく作品の中に様々なタイプのコントラスト、
対照的なものが次々と現れ、それらが見事に噛み合い
相乗効果を生み出してました。

「コントラストの使い方が極めて巧みな映画」
それが僕のこの映画の印象であり評価です。
なので今回はこの映画を「コントラスト」という視点に
絞ってレビューしてみようと思います。

◆コントラスト1 「キャラ」

陽気な性格で世間の枠に嵌らない率直な男ジャックと
物静かで生真面目で保守的な男イニス、
この2人の恋人達のキャラがまず正反対です。
だからお互いの長所短所が相手とのやり取りの中で
とてもわかりやすく伝わります。

◆コントラスト2 「家庭」

物語の中で主人公達はお互い結婚し、子供も出来ます。
ここでまた妻のタイプも子供の性別も正反対で、
イニスの妻は貞淑でおしとやかな優しい女、
ジャックの妻は情熱的で才能溢れる男勝りな女。
子はイニスが女の子2人にジャックが男の子1人。

イニスは完全亭主関白の末離婚に至り、
ジャックはマスオさん状態で尻に敷かれつつも
離婚には至らず浮気三昧の日々です。

どちらの妻も、普通の男なら文句無いだろってぐらい
美人で性格もいい素晴らしく魅力的な女性です。
しかしそんな良妻でも、2人は円満な結婚生活を営めない。

◆コントラスト3 「生活水準」

物語の序盤、出会ったばかりの若い2人は
どちらも貧乏でしたが、結婚してからの2人は
経済力や生活スタイルに大きく差が出ます。

ジャックの妻はいわゆるお嬢様で、家業が繁盛していて
ジャックは逆玉の輿です。しかし妻の両親からは嫌われてる。
対するイニスは親子水入らずですが経済的に苦しく、
イニスの妻は生活の為にパートに出たりしています。

◆コントラスト4 「夢と生活」

ジャックは自分の好きなロデオを続ける生活はしません。
生きる為稼ぐ為には好きでもない、違う仕事もします。
しかしイニスはあくまで自分がやりたい
カウボーイの仕事にこだわって経済的に苦しくなります。

◆コントラスト5 「帽子」

些細なことですが、ジャックの帽子は黒系で
イニスの帽子は白系の色ですずっと。
この物語に出てくる男はほぼ全員
カウボーイハットを被っています。
凄まじい数のカウボーイハットです。

◆コントラスト6 「教育と恐怖心と認知」

イニスは幼い頃に父親から「同性愛は殺されて当然」
というような価値観教育をかなり強い形で受けました。
だからどうしても、今の生活や責任を捨てて
世間の目を無視して2人で一緒に、とは出来ない。

対するジャックも世間の差別こそ知ってはいるものの、
一緒にいたいという気持ちの方が勝って
イニスに一緒に暮らすことを提案しますが
「それは無理だ」と断られてしまいます。

ジャックは恐れが無く、イニスは恐れを教えられた。
イニスは恐れと保守的な教えに縛られたままで、
自分も自分の愛も認められずにいるのに
ジャックは自分を認められています。

◆コントラスト7 「悲と美」

物語の中は常に切なさ悲しさ厳しさ儚さ等の
マイナス要素が付き纏う流れですが
その重苦しい雰囲気に反比例するかのように
ブロークバックマウンテンの雄大な自然美が半端じゃないです。

話は悲しいのに映像はどこを見ても過剰なまでに美しく、
映像は空も水も大地も一点の曇りもない最上級の美なのに、
その中の人物はいつもどこか儚げで切ない。
それぞれの効果がお互いの効果をより高め合って
倍美しく見え、倍切なく感じられます。

しかし雄大な自然をよく見ると、曇り空が多かったり
鬱蒼と茂る暗い色の木々に囲まれていたりと
明るさと解放感は少ないです。雄大なのに閉鎖的。

◆コントラスト8 「恋愛観」

それぞれの人生を歩んでしまい、2人はあまり逢えなくなり
満たされない寂しさの中でジャックは他の男と浮気します。
一方イニスは男はジャックただ一人と決めている。

女相手ならどちらも気にしないというのは共通してますが、
イニスはジャックの男の浮気だけは許せない。
対するジャックの言い分は「寂し過ぎて渇きを癒した、
俺だって辛いのにどうしてわかってくれない」と逆ギレ。

実はジャックはイニスと別行動の時、
かなり色んな男と接触しまくってるんですが。
そこら中にゲイがいてたまるかと思ってしまいますが、
出会いのチャンスですら正反対です。

◆コントラスト9 「日常と非日常の顔」

イニスとジャックは日常の殆どを家族や社会の中で過ごします。
全てが嘘ではないが、ありのままではない仮の姿を
日常で演じ、生活のストレスもあり疲れた顔が多いです。

それが2人きりの逢瀬の時だけ、
特にブロークバックマウンテンに行った時は
まるで別人のように解放感溢れる笑顔を惜しげもなく見せます。
雄大な自然美も手伝って、表情の幸福感を倍増させています。

◆コントラスト10 「愛情と時間」

お互いの愛情に反比例するかのように、
2人の逢瀬の時間はどんどん削られていきます。

イニスは子供の養育費や自分の生活の為に
低収入で働き続けなくてはならず、暇が作れない。
対するジャックは経済的に余裕があるせいか
イニスより暇を作りやすく、欲求を持て余してしまいます。

◆コントラスト11 「両親と生い立ち」

イニスは幼い頃に両親を亡くしたかなりの苦労人、
ジャックは両親と特別仲がいいわけではないが
両親共に健在で慎ましくも平凡な生い立ち。

ジャックは父親からロデオを教えて欲しかったけど
あまり相手にしてもらえず、寂しさを感じていた。
イニスは生前父親から教育を授けられたが
その結果、親の価値観に縛られ苦悩する羽目に。

◆コントラスト12 「愛情表現」

ジャックとイニスはキャラの違いのせいか
愛情表現にも差があります。

ジャックは愛情をストレートに台詞にもするし
逢いに行く時は喜びも満面の笑顔も隠そうとしない。
イニスは口に出すことは無いし表情にも出ないけど
本人がいない、見えない所で無意識に愛情が出てしまう。

例えばジャックは「今でも時々、お前が恋しくてたまらない」
「早く逢いたくて車を飛ばして来たんだ」等と言いますが、
イニスはそんなこと言いません。
返事もそっけなく「どうだかね」ぐらい。

イニスの場合はジャックが来るのを待ってる間に
ソワソワして落ち着かず、1人で酒呑みまくっちゃう感じです。
しかもジャックが来た直後、妻への扱いも雑になります。

◆コントラスト13 「抱擁」

イニスは親から受けた保守的思考に捉われ過ぎて
自分達の愛を認められずに目を背けます。
だからジャックを正面から抱きしめることが出来ない。

正面から向き合ってしまえば、抱擁する相手が男だと
嫌でも認識させられてしまいます。それが出来なくて、
いつも背後から包むような抱擁になります。

一方ジャックは正面から自分を受け入れて愛して欲しいと
イニスに願っていますが、イニスの性格も知ってるから
そんな我侭は言えません。ジャックに出来るのは
抱きしめられた後、少し離れた場所から
憂い気な眼差しを送るだけでした。

◆コントラスト14 「ダンス」

イニスもジャックもダンスはあまり好きではないけど
それぞれ離れた場所で、互いの日常の中で
ダンスシーンがあります。

イニスはバイト帰りの派手な女に逆ナンされ、
小さなパブのジュークボックスのBGMで
嫌々ながら2人だけで踊らされる。
動きもかなりぎこちない感じです。

ジャックは夫婦で参加したバックバンド付の
ダンスパーティで、話の流れから知り合った人妻を
自分から誘いダンスの輪に入ります。
ジャックの方がちゃんと踊れてます。

◆コントラスト15 「特技」

ジャックはロデオをやるだけあって、
多少気性の激しい馬でも乗りこなせてしまいます。
しかし銃の腕はイマイチ。

対するイニスは一度山の中で馬を暴れさせてしまい
逃がしてしまいますが、銃による狩は
ジャックよりもずっと上手です。

因みに料理の腕もイニスの方がマシ。
ジャックは「俺は缶切りしか使えない」と言いながら
缶切りの最中にぶしゅっと中身をぶち撒けます。
缶切りすらロクに使えていません。
芋の皮剥きは上手いのに。

◆コントラスト16 「ラスト」

イニスは生きていますが、ジャックは死んでしまいます。
イニスに残ったものはブロークバックマウンテンでの
ジャックとの思い出と、ジャックの形見の品だけ。

そこにイニスの娘が結婚の報告にやってきます、
とても幸せそうな顔をして、寂しい父親の元に。

最愛のパートナーと2人で生きるという娘の報告後、
イニスは最愛の人の形見の前でたった1人で誓いをたてます。
自分1人と形見と思い出の1つで「永遠に一緒だ」と。

ジャックとイニスの生死コントラストもありますが、
父と娘による恋愛のゴールの形も対照的です。

◆総評・感想

以上、思い出すままにいくつかの対照点を挙げましたが、
これらのコントラストが物語の中で随所に出てきます。
作品中、常に何かが対照的、コントラストの連続です。

だからこそ、物語の奥深さを味わいやすい。
対比により奥行きが生まれ、情景も感情も立体的になる。
簡単に言えば「単純明快な話にならない」です。

無駄な台詞、無駄な場面、無駄な映像が無いのも魅力です。
淡々と静かに流れる物語なのに集中力は切れませんでした。
BGMもギターの懐古的で温かい音色がメインです。

因みに僕の泣き所は、ジャックがイニスに浮気を責められた後
堰が切れ「俺達にはブロークバックマウンテンしかない!」と
嘆く場面、イニスがジャックの部屋で自分のシャツを
見つけた場面、ラストの誓いの場面、の3つです。

見ると必ずブルーになりますが、いい映画です。

テーマ:日記 - ジャンル:恋愛

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コメント閲覧
やっと
追い付きました(´ω`)久々コメントします、泉です。
その映画はまだ観たことありませんが、この記事読んで観てみようと思わされました。レビューの書き方うまいね。
同性愛ものははかなく『綺麗』に描かれる、というイメージがあります。自分は小説メインですが。そのひとつに自然美や映像美との対比があるというのも頷けます。
散りゆく花、とか、花火とか、そういうものは切ないですよね。まぁ、同性に限らずとも恋愛はそうですよね。
あと、愛情と時間のコントラストっていうのが一番気になります。余計に切なさが増しそうな…
さっそく探してみますね。
【2007/11/08 22:12】 URL | 泉 #50jynCW6 [ 編集]



こういうところにコメント
するの初めてなので
緊張してます!


この映画見たいなと思いながらなかなか見れずにいたのですが、やっぱりというか、更に見たくなりました。
toyoさんの書き方がうまかったからですかね、感心しながら読んでしまいました(笑)

基本的に話の面白さに加えて視覚的に楽しめるものがすきなので、まさにこれはヒットしそうだなーなんて思いました!

明日辺りTSUTAYAに行きます(笑)


みやび
【2007/11/09 00:56】 URL | みやび #b/VIuw/Q [ 編集]

>泉さん
泉さんこんばんは。
追いつくペースの速さに驚きと心配がありますが
ひとまずお疲れ様でした。

実はこの記事、もう何ヶ月も下手すりゃ
去年くらいから放置してた記事でした。
最近たまたま、再び見る機会に恵まれて
思い出したんですけども。
長い時差を経て2回目見ても
自分の感想が同じだったんでびっくりです。
記事自体はレビューにすらなってないと思いますが。

そうですね、儚く綺麗にってあると思います。
男女でもそういうの多いですけど、
もうちょっと泥臭さを演出しているかも。
花の映像は映画にはなかったですが
花火はありました。そりゃもう綺麗な花火でしたよ。

そうそう、愛情が深まるにつれて
どんどん時間が無くなっていくんです。
その主な理由は、貧乏なイニスが年齢を重ねて
簡単に仕事を休めなくなったせい。
あんまり休んでたらクビにされちゃいますからね、
クビにされたら次の雇用先も見つからないかもしれない、
そういう事情でした。だから余計に寂しさ募ってますよ、
2人とも「2人で暮らせる選択肢もあったのに!」なんて
どうしようもない後悔しちゃうから。

最後には返信でもネタバレしまくりです。
【2007/11/09 18:03】 URL | toyo #- [ 編集]

>みやびさん
みやびさん初めましてこんばんは。

書き方は寧ろマズイと思います。
どこがどう面白かったのか、という肝心な部分が
殆ど書かれてません。レビューになってないです。

でもこんなんでも興味持って戴けることもあるんですね、
無茶でも書いてみるもんですね。
ツタヤの帰りには是非本屋に立ち寄って
三国志コーナーを探すのもオススメです。
話の面白さは文句無しの太鼓判ですが、
視覚的には、尋常じゃない死体の数が見所です。
死体の数は凄いけど、全然エグくないので。
あんなに大量の死体をあっけらかんと描く漫画も
珍しいですよっと。

最後には返信で三国セールスしまくりです。
【2007/11/09 18:04】 URL | toyo #- [ 編集]


こんばんは。
この映画は先行上映の時渋谷の劇場で観ました。
上映当時いろんな人がレビューされていましたが
「コントラスト分け」というのは、初めて目にし、楽しく読ませていただきました。
確かにそうですね、見事に対比されています。
とよさんの
>率直な感想を言うなら「こんな人生やだ」
には、妙に納得いたしました。

記憶を辿ってみると、扱っているのは同性愛なのですが、
そのことだけではなく、登場人物全てを通して
「人生思うように生きていきますか?」って問いかけられているような
そんな映画だったように思います。
また、同性愛を扱う事により、誰もが究極のテーマとする、
愛とはなにか、結婚とはなにか、人生とは、人間とは、
といった事が随所で描かれているように思います。
親から受けたトラウマから脱することの重さが人生を左右する場合もあることを考えさせられましたし、
イニスの妻の悲しみと苦悩、それが憎しみに変わって行く様は、
結婚の奥底にあるものを垣間見た気持ちがしました。

私の泣き所は多々ありますが、劇中での涙には一緒に泣かされました。
二人が初めて愛し合った夏のブロークバックマウンテンを去るとき、あっさりと「じゃあな」と去ったのはイニスの方なのに、物陰に隠れて号泣するシーン(これは外せない)、
月日が流れ、ジャックがイニスを訪ね再会の抱擁をした後、イニスの方が気持ちを抑えきれずに物陰に隠れて激しく接吻するシーン(確かこの年のキスオブイヤーを受賞したはず)
イニスの奥さんの苦悩の涙、最後ジャックの実家で見つけたシャツを持ってきたイニスに、ジャックのお母さんは黙って紙袋を渡しながら、「また遊びに来て」といい、そのシャツを見て涙するイニス。最後ジャックのお母さんの一言がなければ、イニスはジャックのシャツを上から自分のシャツをかぶせてクローゼットに仕舞うシーンには辿りつけなかったとも感じました。
本当にいい映画ですよね。
長々と失礼しました。あまりにも懐かしくなり、久しぶりにコメントさせて頂きました。
エコ、万歳!
【2007/11/14 21:07】 URL | momo #- [ 編集]

>momoさん
momoさんこんばんは。
僕も初体験でレビューを書くにあたり、
他の方のレビューを参考にしました。
公開されてから随分経つしレビューするには
時期的に今更な作品だと思っていたので、
どうせ書くならあまり他の人が書いていないような
書き方を考えてコントラストに絞りました。
作品を見た方ならわかりますよね、
とにかくあらゆる人、環境、場面、状況、が
対比されまくりだったのは。

映画のキャッチコピーだったんでしょうか、
これは同性愛の物語ではなく実は普遍的な愛の物語だと
この台詞をよく目にしたのですが。
監督の撮り方も決して同性愛を撮りたかったとは見えず
同性愛を通して、普遍的な愛を表現したかったようにも
見受けられました。
この「通して」というのが重要な気がしますね。

そして泣き所ですが、イニスが別れ際に1人で
咽び泣くシーンがありましたね、物陰で。
僕はここ、初めて見た時泣いてるとは思わず
気分が悪くなっておえぇ~って吐きそうになったのかと
勘違いしていました。何でやねん、と思いつつ
そして何故気分が悪くなったのかもわからず
それほどショックだったのかなぁ~と
呑気な解釈をしてしまいました。見方としては大失敗です。
今でこそ「あれは泣いてるんだよ」と理解出来ていますが。

鑑賞者として、僕のレベルが映画や役者の演技に
追いついていけなかったのが敗因でしょう。
間抜けもいいところでした。
【2007/11/14 22:11】 URL | toyo #- [ 編集]

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