僕を埋め尽くす秘密
バイでリバの♂が恋愛仕事人生等に悩みながらも真面目に生きてるよ

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手術1
少し前の出来事。

その日はいつも通りの仕事場だった。
バーの中は相変わらず狭く、お客さんの顔も
少し暗い照明でもちゃんと見える距離にあった。
勿論声もしっかり届く、そんな近距離の仕事場。

常連客の中にたまたま外科医の人がいた。
外科医の常連さんは僕の手を見て酒場の雰囲気に
似つかわしくない、真剣な目でこう言った。

「これ、明日にでも急いで病院で診てもらいな。」

この時僕の右手の親指には得体の知れない出来物があった。
いつから出来たかも定かではなく、いつの間にかあった。
気付いた頃にはかなりハッキリした大きさになっていた。

気付いても痛みを全く感じなかったので放置していたら
どんどん大きくなって、その場所を少し強くぶつけると
妙な痛みを覚えるようになった。
大きさも徐々に目立つようになり、明らかに変。
流石の僕でも鬱陶しさも感じていた頃だった。

常連さんのあまりに深刻な表情を見て
翌日近所で一番大きな病院に行き診てもらったら

「手術しますから今日から入院してください。」

え?えぇえええ?手術?入院する程の手術?
手術はまぁ、わかるけどさ、
ちゃちゃっと切って縫うぐらいじゃないの?
あまりに驚いて病院なのも忘れて大声出しちゃった。

「入院?!マジっすか!この歳で?」
「指先は神経も血管も細かく密集してるから
 手術自体が難しいんです。だから全身麻酔の
 手術になりますから、事前に入院してもらわないと。」

「全身麻酔?!まさか大手術?!」
「そうですねぇ、時間もかかると思います。」

診断の結果、僕の右手の親指の出来物は
腫瘍だと聞かされた。しかもかなりの大物。
しかしもっと詳しく検査が必要だとも言われた。
悪性か良性か、取り出さないとわからないらしい。

更に言うならあまりに大きく育ち過ぎて余計に
手術の難易度が上がってしまったと言われ
バーの常連客に密かに感謝しまくった。
病院嫌いでごめんなさい。

「入院てどれくらいですか?期間と費用は?」
「術後も検査が必要なので、2~3週間はかかりますね。」

そんなに入院無理だよ!猫のご飯だって
あげなきゃいけないし、仕事だってあるし
入院費用も貯金が無いわけじゃないけど、
こんな時の為の貯金だけど、出来れば節約したい!

「あ、あの、3週間はちょっと無理なんですけど~」

こちらの生活事情を説明し、何とか交渉の末
入院は術前のみにしてもらい、術後は毎日検査通院
という形にしてもらえた。絶対毎日来ますから!と
拝み倒して何とか納得と信用を勝ち取って。

ただし、検査が終わり完治するまで仕事はドクターストップ。
その旨を診察の帰りにマスターと親友に報告をした。
マスターは困った素振りを隠しきれず、それでも
「しっかり治してくれよ」と長期の休暇を許可してくれた。

申し訳無いとは思いつつも、内心では何気に
自分が即戦力としてアテにされていたんだと
マスターの態度で少し誇らしくも思えた。

一方親友は意外な程、電話口での反応が鈍かった。
「明日手術するから」と僕も簡潔な病状説明と話しか
出来なかったせいかも、なんて気楽に構えていた。

その日真っ直ぐ自宅に戻り、そのまま入院の準備を始めた。

テーマ:日記 - ジャンル:恋愛

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