僕を埋め尽くす秘密
バイでリバの♂が恋愛仕事人生等に悩みながらも真面目に生きてるよ

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一歩前進
母が歩けなくなった。

ある日突然、父からそんな話を電話で聞かされた。
去年の10月くらいから、母は足に違和感を覚えていた。
それでも母は仕事も生活も変えることなく続けていた。

今年に入って、母の足は痺れを感じるようになったらしい。
原因は全くわからない、だから幾つもの病院を梯子。
そして先月くらいからか、母の足は動かなくなった。
母は仕方なく杖を購入した。

昔から誰よりも女としての見栄えを気にする母が
そんな姿を他人に見られて我慢出来るわけがない。
最近の母は自宅に引き篭もり、自宅で出来る仕事を
部下に届けてもらうようになった。

僕の自宅の近所に大きくて有名な病院が幾つかあった。
父と2人がかりで、外に出たがらない母を
無理矢理にでも引っ張って連れて行った。
車の免許がこんなことで役に立つとはね。

僕が連れて行った病院でも、言われることは皆同じ。

「どこにも異常はない。」
「骨も神経も全て正常。」
「どこが悪いのかわからない。」

何度も聞いた台詞。父の口からも母の口からも
医者にこう言われたよ、と同じ台詞を聞いたか。
堪り兼ねた僕はつい、声を荒げてしまった。

つい最近まで普通に歩けた働き盛りの人間が
歩けない程に足が動かなくなって、異常が無いわけない!
異常があるからこうなってるんだろ?
異常が無いんじゃなくて、見つけられないだけだろ!

絶対にどこかがおかしいはずだ。
母の体の何かが異常であるのは間違い無いんだ。
それだけは絶対だと信じていた。
僕の母はまだ若い、決して足が動かなくなっても
不思議ではない年齢とは言えない。

だから絶対、おかしいんだ。
おかしいとわかってて諦めてたまるか。
世の中「絶対」なんてそうそう無いけど、これは絶対。
僕と父の病院探しは人知れず続いた。

レントゲン、採血、CT、ここ数ヶ月の間に
母はありとあらゆる検査をこなした。
リハビリもやった。
それでも改善する気配は一向に見られなかった。
正直、僕はちょっと弱気になった瞬間があった。

幸運はある日突然訪れた。

母が風邪をひいて、実家近くの小規模な地域病院を
たまたま訪れた時だった。
そこに母の体の異常に気付いた医者がいた。
その医者はいつもその病院に勤務している医者ではなく
幾つもの病院に日替わりで勤務するタイプの医者だった。

母の様子に気付いた医者も「もしかして」と
病状の見当はついたものの、自分の専門では
なかったらしく詳しくはわからなかった。

しかし幸運は更に続いた。

調度同じ日に、その小さな病院にはあと2人
普段は他所の大病院に勤務する医者が診療に来ていて
その人は気付いた医者が「もしかして」と
見当をつけた部位の専門医だった。

大きな病院を沢山梯子したけどわからなかった
母の異常が、まさかこんな地元の小さな町病院で
偶然居合わせた他所から来た医者達によって
大雑把にでも判明してしまうとは。

偶然と灯台下暗し。神様っているのかもしれない。
母からこの時の話を電話で聞いた時は
まるでドラマのようだとさえ思った。
でも、疑うことは1つも無かった。

初めて見えたリアルな希望は、あまりにも眩しかった。

母の異常の原因は、どうやら足そのものや
骨や神経ではなく、心臓だったらしい。
それ以上のことは心臓の異常に狙いを絞って
詳しい検査をしてみないとわからない。

でも、大きな病院で一刻も早く手術する必要があると
母はその場で3人の偶然の医師達に聞かされた。
医師達の口から幾つもの候補病院の名前が挙がったが
母は迷わず即答した。

「紹介出来る病院の中で一番大きな、
 一番いい病院で、一刻も早く手術をして欲しい。」

母の体に異常が出てからもう半年以上も経っている。
医師達の話では「遅過ぎる」とのこと。
もうのんびりとしている暇も無いらしい。
母は「少しでも疲れたらすぐに救急車を」とも注意された。
事態のヤバさが伺える注意事項に思えてぞっとした。

でも「手遅れ」とは言われていない。
「大きな病院で手術をしないと治らない」
母は確かにそう言われたと聞いた。
ということは、手術すれば治るかもしれないんだ。

僕も父も最近大きな手術を立て続けにやっている。
そしてついに母までが、家族3人しかいないっていうのに
この2~3年の間に家族全員が大手術ってどういう確率だよ。

僕の手術は命に関わるものじゃなかったけど
父の手術も病気そのものは命に関わらないけど
命に関わる部位の手術だったから心配があった。
母の手術はどうだろう、病気はどうなんだろう、
多分、僕や父よりも危機に近いように思える。

まだ安心も油断も出来ない段階なのに、
異常のある部位がわかっただけでも
泣きそうなくらい喜んだ。

まだ何も解決していないっていうのに、
今の僕は救われた気持ちでいっぱいになってる。
何も変わってないのに、もう大丈夫って思ってる。
不安も焦りもあるはずなのに、どうしてこんなに薄いのか。

きっともう、僕自身が「大丈夫」って思いたいんだろう。
そうとしか思いたくない、それ以上の考えは
今は欲しくない、いらない。
「大丈夫」という言葉の偉大さ、温かさに包まれていたい。

良く言えば本能が生み出したポジティブシンキング。
悪く言えばちょっとした現実逃避か。
それだけ不安が大きかったのかな、今までが。
いいじゃん、ちょっとくらい逃避したってさ。
この数ヶ月を振り返ったら、泣いてしまいそうなんだ。

本番はこれからなんだから。

テーマ:日記 - ジャンル:恋愛

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コメント閲覧

答えがでない不安、わかります。
私もあったのよ、どうみても皮膚科と思ってたのが整形だった。(医大まで行ったのに)
いくら医者でも専門外となるとわかんないんだね。
お母様よかった~、まだ安心は出来ないでしょうが。
「大丈夫」は今は呪文のように唱えててね。
「完全な大丈夫」になれるまで願ってますからね。
【2008/05/26 20:53】 URL | 愛貴 #- [ 編集]

お久しぶりです。
その安堵、わかるな。
父の肝臓に膿が溜まって生死をさまよった事があって、長い事原因不明だったんだけど。
原因は虫歯だったの。
そのときは、これで対処法が見つかった!って希望で嬉しかったよ。何をすべきかがわかっただけですごく救われた。前を向ける強さを得た。
大丈夫。きっと大丈夫。
私もお母様の無事を祈ってます。
【2008/05/26 22:13】 URL | なよ #3SDog/2w [ 編集]

>愛貴さん
愛貴さんこんにちは。
病気ってそうなんですよね、症状が出てる部分と
患部が同じとは限らないっていうか…
今回その怖さを思い知りました。
本当に侮れないです、病気は。
人の体って沢山の部位があるし、全部チェックは
難しいもん、個人差で珍しい症状や患部もあるし。
医者は確かにプロだけど、過信は禁物ですね。
勿論わからない医者が悪いとも思いません、
専門外がわからない代わりに、他の医者より
専門分野に詳しいはずだから仕方がない。
わかっただけでも、時間的にギリギリでも
うちは本当に運がいいんだと思ってます。
【2008/05/30 10:26】 URL | toyo #- [ 編集]

>なよさん
なよさんこんにちは。
内臓の病気でまさか原因が虫歯とはなかなか
考えにくいですよね、素人にはまず思いつかない。
まだ対処法もわかってないけど、対処する場所しか
わかってないのにとても嬉しかったですよ。
前が見れましたね~それまではずっと不安で
手元や足元しか見られなかったみたいな。
【2008/05/30 10:27】 URL | toyo #- [ 編集]

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