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僕を埋め尽くす秘密
バイでリバの♂が恋愛仕事人生等に悩みながらも真面目に生きてるよ

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駆け引き
君は帰り道に僕の部屋へ寄る習慣があった。
毎日の通学路のコースに、僕の部屋が組み込まれていた。
他にも何人か連れてくることもあったが、2人きりの時が多かった。

ある日の帰り道、2人きりで僕の家に向かう途中。
他愛も無い話をしながら歩いていた時、
僕はふと何かの拍子に箍が外れて
思わず本音を吐露しそうになった。

「あのさ」

この時期、いい加減自分の意気地の無さに嫌気が差していたし
毎日徐々に捻れていくような感覚にも嫌気が差していた。
もう解放されたかったんだ。
何もかも終わりになってもいい、ただ楽になりたかった。

「何?」

振り返ったその顔を見て、一瞬躊躇した。
本当にいいのか?もうこんな距離で会話も出来なくなるかもしれない。
いや、君なら、白状したところで僕が傷つかないように上手くかわして
明日からも何事も無かったかのように接してくれるかもしれない。

「どうした?」

僕の様子を察したのか、君は立ち止まりこう畳み掛けてきた。

「そういえばお前、最近様子おかしいな。」
「そうかな。」
「急に黙り込んだり、考え事してるみたいに上の空って感じだよ、たまに。」

この頃の僕は確かに、ふいに無口になったりすることが多かったと思う。
自覚はあったけど、気付かれてはいないと思ってた。
とても「何でもない」とは言い逃れ出来ないような雰囲気だった。

「好きな人がいるんだ、でも、もういいんだ。」

これが精一杯だった。
やっぱり僕は臆病者で小心者だった。
大きな賭けに出ることも出来ず、かといって大きく嘘を吐くことも出来ない。

「もういいの?なんだ、そっか。」

この言葉だけで、君はきっと、僕が失恋でもしたと思ったのだろう。
だからまた言葉少なめに、会話の幕を閉ざした。
これ以上は聞かない方がいいだろうという、僕の嘘に対する君の気遣い。
無駄な言葉を使わない、君のそういうところが僕はとても好きなんだ。

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