僕を埋め尽くす秘密
バイでリバの♂が恋愛仕事人生等に悩みながらも真面目に生きてるよ

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朝靄3
前記事の続き。


折角だし、いい機会かもね、改めて彼と
もう少し腹割って話してみるのもいいかもしれない。
腹割って話すって僕が最も苦手なことだけど
今までのこともほじくり返して話すのも悪くないかな。

彼は僕の前では以前からずっと自然体だったように思う。
嘘や隠し事や言わないことも沢山あっただろうけど
自分を偽ったり演技したり、そういうことは無かった。
逆に僕はそればかりだったし。

「前に話した時は恋愛は無いとかキモイとか
 俺らじゃ付き合ってもすぐ終わっちゃうよねとか
 そういう感じだったよね。」

少し頷いただけで彼は黙ってしまった。
彼の次の言葉を待っていたら
時計の秒針の音がよく聞えるようになった。

このまま僕が話し続けた方がいいのかな?
しかし話題のカードがこっちも乏しい状態。
皮肉なもんだね、ホストとバーテンダーという
会話接客のプロが2人揃ってて会話が全然進まないとは。

「遠回しにお断りしてるわけじゃなくてさ、
 純粋な疑問なんだけど。前はそう言ってたのに
 どうして急に考えが180度変わったのかな?っていう。」

先生、サトル君が全然喋ってくれません。
ずっと考える人のポーズで動きもしません。
もしや質問で地雷踏んじゃった系?
重い空気に心折れそうになって猫の匂いを嗅いでみる。

およそ30分の沈黙を経てやっとサトルの声が聞えた。
たった30分なのに凄く懐かしいような気分だった。
彼も久々に喋った感じで最初ちょっと声掠れてて
裏返ってたりして、咳払いなんかしちゃったりして。

「トヨはさ、」
「うん?」

「俺のこと好き?嫌い?」

ちょ、30分前の僕の話は完全スルーですか。
あまりの華麗なスルーっぷりに迂闊にも
ちょっと吹いちゃったじゃないか、猫の腹の匂い嗅ぎながら。
本当に強引な性格っていうか、マイペースっていうか
人には合わせないけど自分のペースに巻き込もうとする。

ん~どうなんだろう、好きか嫌いか?
好きだった時は確かにあったし、嫌いだった頃もある。
で、好きな気持ちを忘れようとして、やっと忘れられて
また思い出すのが嫌で少し距離を置いてた的な。

自分から距離置いてたってことは好きってことか?
でも元はと言えばあんまり好きになりたくなくて
出来れば嫌いかどうでもいいくらいの感情に
なりたくて離れようとしてたんだ。
そもそもそれは以前の話で、今はどうなんだ?

今度は僕が答えられなくて静寂を作ってしまった。
いつもの僕なら調度良い答えを見繕って
文字通り適当に回答してたんだろうな、
人としては好きだけど~とかさ、友達としてでもいいよ。

上手く答えられないことってあるんだね、
返事しようと思っても返事が全然出てこなくて
刻々と時が過ぎてって勝手に焦り始めて
焦りが一周したらもう回答しなくていいのかな?て
勝手に判断しちゃったりして。

もしかしたらさっきの彼の沈黙も同じだったかもしれない、
自分の頭の中だけでぐるぐる考えて1人でこっそり納得。
これじゃ対話の意味無いね。

1人でずっと考え事してたら突然どっと身体が重く感じられた。
疲れがピークに達したのかな、そろそろ体力の限界かも。
全然眠くは無かった、頭も冴えてた、けど疲れは本物。
一旦休憩って言ったら受け入れてくれるだろうか?

「そろそろ寝ない?ちょっと体力の限界が。」
「いいけど、俺はどこで寝ればいいの?」

「一緒でいいんじゃね?」
「いいの?」

まぁ大丈夫だろうと思ったんだよね、今更発情しまくる程
新鮮な関係でも無いし~そもそもそんな体力も気力も
残ってないだろみたいな。
うちに居候してた時も一緒に寝てたしさ。

僕が先にベッドに潜って壁側に寄り
それからサトルが入って来て2人並んで
暫くじっとしてた。
僅かな衣擦れの音もよく聞えたくらい静かだった。

もう朝どころか昼になる時間、閉じた瞼の奥にも光が滲む。
冴えた頭を何としても眠りの世界に誘いたい、
そろそろ寝ないと疲れが取れず自分がしんどい思いをする。
だから目を固く閉じて動かずに睡魔の訪れを待っていたのに
サトルがまた厄介なことを言ってくる。

「どうしよう、ギンギンで寝れない。」
「あははは」

という言葉を発すると同時に勝手に僕の身体を弄り始める。
まさかやってこないだろう、と読んでたけど
実はそんなに驚いてなかったりして。
だからってやるほどの余力は僕には残ってないわけで。

溜息と呆れ笑いでまたどっと疲れが沸いた。
まぁまぁまぁ、わかるよ、サトルも疲れてるんだよね、
疲れてるとね、そうなっちゃうよね~って押し付けんなよ!

「じゃ俺がもうちょっと起きてる、リビングで一服してくる。」

彼の返事は聞かずにさっさと寝室を出て
まっすぐ冷蔵庫に向かって飲み物を出してから
ソファに座って煙草に火を点けてみた。ふぅ

サトルがこの後どうするのかは知らないけど
2時間くらい経ってから戻ろうと考えてPCの電源をON。
それくらいあれば先に寝てくれるんじゃないかという読み。

物凄く疲れてるのにやりたくもないネットゲームをやりながら
今日起こったことをぼーっと振り返ってみた。
独りになれたことで、やっと僕も本調子に戻れそうな気がした。
やっぱり僕には、独りで考える時間が必要。

さっき彼が言ってたこと、全部本当なんだろうか?
冷静になれずなかなか信用出来なかったけど
冷静になったこの時でも、まだ信用出来なかった。
反面、自分と向き合う作業が捗っていた。

彼と僕の以前の関係、当時の僕の印象では
セフレなんて立派なもんじゃない、それ以下か未満か
とても人間同士の関係とは思えなかった。
もっと獣染みてて原始的、そんな印象。

それがとても嫌で、でも彼が嫌だったわけじゃなかった。
そういう自分が嫌で、つまり自分を恥じてたんだな。
今でもその時のことはあまり思い出したくないもん、
あんなの自分じゃないという気持ちが強くて。

好きなクセに相手にちゃんと好きとは言えなくて
それなのに求められれば応じてしまう、
まるでバカな女みたいだなってさ、今まで自分が
散々バカにしてきたヤリマンそのものじゃん。

嫌だったのは断れないことだけじゃなかった。
ナメられたくなくて今日くらいはいい加減
突っ撥ねてやろうと決めた日、ちょっと身体触られただけで
あっさり抵抗を止めたことがあった。
プライドねぇのかよ、と自分に呆れた。

なんでプライド捨ててんの?淋しいから。
触って欲しいしいつでも餓えてる。
なんでそんなに淋しくなるの?ゲイだから。
相手なんていない、どうせ一生、ずっとこうだ。
う~ん、惨めの一言に尽きるね!あぁ考えたくない。

こんな思考が当時ぐるぐるしてたな、懐かしい。
どうしてもこういう方向に思考が向かってた、
慎重なのは悪くないが身を滅ぼしかねない程の
ネガティブ・シンキング、自分でも怖いと思ってる部分。

こういうネガティブなことも考えたくなかったし
セックスに対してプライドがない自分も見たくない、
オマケに振られるのが怖くて告白も出来ない情け無さ。
やればやるほど自分が惨めになっていく、気がしてた。

僕にとってのサトルって、僕が最も見たくないと思ってる
僕の本性の一番汚くて脆くて惨めな部分を
最も見せ付けられる相手、だったみたいだね。
そっか、道理で常に距離を置いてたのか、納得。
要するに恐怖の現実を映す鏡みたいな奴なんだ。

よく考えたら僕はサトルをあまり知らないままだった。
サトルと僕の関係だって全部僕目線だけで
一方サトルはどうだったか、なんて全くわからない。
考えたこともなかった。それもなかなか酷いな。

あんまり、彼のことちゃんと見てなかったね、今まで。
興味無かったって知ったら怒るかな、それとも悲しむかな、
どうせいつか消えるだろう、付き合いは長く続かないだろう、
そのうち一生会うこともなくなる人だろう、
何の根拠も無いのに彼のこと、そう思い込んでた節がある。

だからよく知ろうともしなかったな、
どうして互いの人生の交差が一過性で終わると
思い込んでたんだろう?それも不思議な話だ。

青春の1ページにちょこっと名前が出る程度の
登場人物みたいな。マジなんでそう思ってたんだろう?
何かと厄介を呼び込む奴だからそうであって欲しいと
願望でもあったとか?

ここまで考えてもわかる通り、僕はかなり酷い奴だった。
彼に対して関心も無くて扱いも低くて、冷たいよね。
こんなんでどうして?ハッキリ言って
好かれる理由がわかんない。故に信じにくい。

それに今までの彼の行動を考えれば全て嘘で
何か企んでるっていう可能性も捨てきれなかった。
だって番号知ってる女の子全員、順番に呼び出して
詳細は一切教えず水や風の面接に連れて行っちゃう奴だよ?

「女1人連れてくだけで5千円とか良くない?」
なんて笑ってたもんなぁ、高校の時だっけ。
他にも笑えないのから人には絶対言えないのまで
ダークネタには事欠かない奴だもん、絶対何かあるって。

好きだったけどさ、それはもう随分前の話だ。
今でもちょっとだけ好きは残ってたかもね、
だけどそれは残り香みたいなもので
新しい恋愛が芽生えたら一瞬で吹き飛ぶような儚いもの。
少なくとも僕自身はその程度だと認識してた。

果たして残り香だけで付き合えるだろうか?
恋人になったら関係は絶対に変わるよね、特に距離。
彼の恋愛スタイルや志向は知らなかったけど
僕が変わるなら同じこと、彼の志向はあまり関係無い。

僕は恐らく彼相手ならかなり詰め寄って
深く付き合おうとするだろう、
そうしたくなくても、そうなってしまうはず。

近い距離では相手の粗や欠点もより見え易くなるし
中には僕に直接苦労として降り掛かってくるものもあるだろう。
それを感情の残り香だけで許容していけるか?
好きだから許せるラインってあるよね。

いきなり好きとか言われても信じられない上に
僕自身に好かれるような心当たりも全く無く
恋人同士になった2人というのも全く想像出来なかった。
一応OKを前提にして考えてみたけど、やっぱり難しそうだ。

正直にそう言うしかないのかな、と溜息就寝。

テーマ:いろんなことがあるもんさ - ジャンル:恋愛

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