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僕を埋め尽くす秘密
バイでリバの♂が恋愛仕事人生等に悩みながらも真面目に生きてるよ

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入院6
前記事の続き。


彼が入院してる1週間の間に僕がやるべきこと
出来ることをほぼやり終えて、かなりすっきり。
勿論彼には退院するまで全部内緒のままだった。

家に来たらびっくりするかな~まず何て言うだろうか?
それを考えるだけで苦労なんて全部吹っ飛ぶんだから
なかなか素敵な構造してるね、僕の中身も。

そんなドキワク気分で見舞に行った日だったのに、
僕が原因で今までで一番深刻な喧嘩をしてしまった。
多分入院して4日目か5日目ぐらい、
もうすぐ退院だねって話をしてたのを憶えてるから。

サトルが入院してから毎日、仕事前に見舞行くのが
この1週間、僕の日課となっていた。
僕としては不謹慎ぽいけど見舞を楽しいと思ってた。

主治医から「もう峠を越えた」とお墨付きも貰えて
その後も順調に回復まっしぐら。
素人目に見ても会う度に顔色も良くなり
声に張りも戻りいつも通りの我儘も日に日に
増えていってたから何も心配してなかった。

だから純粋に見舞を楽しめていたつもりだったんだけど、
僕はそれしか考えてなかったんだけど、
彼は僕が気付いていない僕の一面が
どうしても気になっていたらしい。

「なんでそんなに周りの目を気にするの?」

面会に来てから1時間くらい経った頃に
少しうんざり気味にぼやくように言われた。
僕は全く意識してなくてすぐにはピンと来なくて
「何が?何のこと?」なんて返事しか出来なかった。

彼が言うには、僕は見舞に来ている最中
ずっと周囲の目を気にして窺っているように見えるって。
自分達2人が周囲にどう映るか、どう思われるかを
常に計算して遠慮がちに振舞っているって。

「そう?全然意識してないけど。」
「さっき看護婦さんが来た時も俺から離れたし。」

「それはさぁ、くっついてたらおかしいだろ~」
「付き合ってんならおかしくないだろ。」

「お前、そういうこと病室で言うなよ。」
「ほら、すぐそういう風に言うじゃん。」

あぁ、やっと何となくわかった、彼の不満が。
てかそれ、今更じゃね?僕は昔からずっとこうだよ?
それこそ男女でいてもこんな感じだよ?元々。

多分、サトルと付き合う前の僕だったら
この次にこう言ってたはずだ。
「俺は元々こうだから。それが嫌なら他の男と付き合えば?」
でも今は言えない、絶対に出てこない台詞になった。

他の人と付き合えば?なんて今はそんなこと
想像もしたくない、それを自分から言うなんて
冗談でもありえない。
サトルと付き合うのは僕じゃないとダメだ、
僕以外の奴なんて絶対認められない。

いつの間にかそんな気持ちにもなっちゃったからなぁ、
もうこの逃げ口上も使えなくなった。
我を押し通しつつ面倒を回避するのに一番手っ取り早い
いい台詞だったんだけどなぁ。

十八番の呪文が封じられてしまったので
僕は何も言葉を返せなくなっていた。
黙っている僕を見て強気になれたのか
彼は矢継ぎ早に入院中に見てきた僕の様子を
特に「周囲を気にする僕」のダイジェスト解説を開始。

あの時にはこう言った、あの時もこうだった、
こんなことも言っていた、その時にはこうしてた、等々。
よくまぁそんだけ憶えてるなぁ、大したもんだな。
その記憶力と観察力と粘着力には感心するよ。

ずっと病室の中で4人部屋だから他の患者さんもいて
迷惑になると思って僕はずっと黙ってた。
今彼の愚痴を強引に遮っても逆効果になる気がして
辱を忍んで言われっ放しで乗り切ろうと決めていた。

彼はやっぱり勘の良い人で、僕の言われっ放し作戦を
あっさり見抜いたのか、途中で愚痴を止めてしまった。
ベッドの上で胡坐を掻いていた彼は足を崩し
片膝を立てぷいっと僕のいない方向に顔を背けた。

僕は他の人相手じゃこうはならないんだけど
何故かサトル相手だと心の読み合いのような駆け引き?
攻防戦?のようなの空気が流れる時がある。
相手がどこまで読んでいるかをこちらが察していることを
相手にどれだけ悟られているかを察する、みたいな。

これは恐らく彼が醸し出す彼の人付き合いの世界なんだろう。
僕には未知の世界だから刺激的でもあるし興味深いし
単純に面白いと思ってる、決して嫌ではない。
でも最後はいつも「怖いなぁ」と思ってるのも事実。

僕の心を見透かそうとする彼が怖いんだろうね、多分。
実際見透かされてるって思ったことも何度もある、
この日だってそうだった。

彼は研ぎ澄まされた鋭い勘やら鍛えられた観察眼やらで
僕の日常的な動作から僅かに零れた、滲んだような
本心をビシッと見抜いて今不満をぶつけてる。

ここまで的確にツボ刺されると言い訳一切出来なくなるからさ、
この逃げ場が無い隙の無さも、彼の怖さの1つ。
こういう時僕はいつも深く追い込まれる前に白旗を揚げる。

とりあえずサトルの腕を引っ張って
半ば無理矢理に病室を出た。
そのまま歩いて向かったのは病院の外。
駐輪場や喫煙所から少し離れた誰も来ないような場所。
何故か植木とベンチだけがある、何だろう、休憩所?

「ごめん、意識はしてなかったんだけど。」
「トヨがそういうの気にするのは知ってるけどさ、
 今くらいは俺に合わせてくれても良くない?」

「そうだよね、病人だもんね。」
「入院ってすっげぇつまんねぇのはわかるしょ?」

「うん。」
「トヨに会いたいなぁと思ってても会いに行けないしさ、
 それで毎日会いに来てくれるの凄く楽しみなワケ。」

あぁ、そういうことか!そういうことですか、わかりました。
でもいいや、わかんないフリしてもうちょっと黙っとこ。

「うん。」
「だからね、俺的にはいちゃいちゃしたい気持ちも
 わかって欲しいんですけど。」

いやん、かーわーいーいー♥
要するに退屈で寂しいから甘えさせてよってことですよね!
これは拗ねてるってことでOK?はい、OK出ました。
さぁ~ここまで気付いた僕は何と答えるか?

「いや、それはちょっと、言いたいことはわかるけどね。」
「わかってんならいいじゃん。」

「そういうの苦手だからゴメン。」
「ゴメンて何、無理ってこと?」

「善処します。」
「ゼンショって何?てかさぁ~人が真面目に話してるのに
 小難しいこと言って逃げようとする癖直せ!マジうぜぇ!」

ばしーん

痛ってぇええ!なんでビンタ?!ブチギレっすか?!
えええ!なんで!どうして!!どういうこと?
苦手だからすぐには無理だけどこれから頑張るつもりって
それじゃダメなのかよ!

生まれて初めてだよ、善処するっつって殴られたの。
何でだろうね、あんまり意外な展開過ぎて
ちょっと泣きそうになった。てかちょっと涙出た。
人って理解を超えると泣きたくなるんだね。
流石の僕もそれなりに不機嫌になってきた。

「何でそんなキレてんだよ意味わかんねぇ。」
「前から思ってたけどさ、何も悪いことしてないのに
 何で隠そうとすんの?」

「そりゃあ、」
「堂々としてりゃいいじゃん、普通にさ。」

「お前は出来るかもしれないけどさ、俺は出来ないの!
 俺とお前は違うの!自分が出来るからって簡単に言うな。」
「照れ臭いぐらいなら許すけどさ、お前の場合
 恥だと思ってるように感じるんだよこっちは!」

「じゃあどうすりゃいいんだよ教えろ!今すぐやってやるよ!」

もうこんな感じでバリバリの口喧嘩にまで発展、勿論大声。
極めて模範的な売り言葉に買い言葉の応酬だったね、
実はこんな本気の口論したの付き合ってからは
これが初だったりして。

で、この後の彼の言葉、かなりグサグサッときた。
多分一生忘れられないんじゃないかな、
こういう心に上手い具合に深く突き刺さる言葉を
生み出す能力も彼の怖い所の1つだと思ってる。

「そんなに俺と付き合ってるの周りにバレるの
 恥ずかしいならもうやめるか?もうやめてもいいよ!」

それを言っちゃあおしまいだろ、だから絶対
それだけは言っちゃダメなラインだろ。
心でそう呟いて、口では何も言えなくなってしまった。

やめてもいいよってさ、別れようってことじゃん。
もう終わりにしようってさ、そういうこと簡単に言ったら
絶対ダメだって、修正効かなくなったらどうすんだよ。

心の中では沢山反論も生まれる。
言いたいことは僕の中に山程生まれて
溢れそうなのに、1つも言葉に出来なかった。
言葉にする気力が根こそぎ無くなってた。

ショック過ぎてもうまともに会話なんて無理だったから
彼を置いて僕だけ逃げるようにどこかに歩いて行った。
適当に歩いてたら彼の病室に辿り着いて、
僕の荷物だけ手に取って何も考えずに病院を出てしまった。

さっきはちょっと大きな声で怒鳴りもしたけど、
怒りの感情は全然残ってなかった。
ただただショックって感じ、頭の中は真っ白で
戦が終わった直後の焼け野原に佇んでるような気分。

この日は仕事が休みだったからまっすぐ家に帰って、
いや、ぼーっと歩いてたら家に辿り着いたって感じだった。
この日は休みだったから、面会時間ギリギリまで
ずっと一緒にいようと思ってたのに。

家に辿り着いてふと時計を見て
予定より早い時間だったことに気付いた時、
無性に泣きたくなった。

何でこんな時間に家にいるんだ俺、
サトルと大喧嘩したからじゃん、
しかもキツイ一言のお土産付き。
涙ぶわぁ~

何であんなことになっちゃったんだろう、
あぁダメだ、猛烈な勢いで後悔の嵐に巻き込まれた。
何であんなこと言うんだよあいつ、
本当に終わっちゃってもいいのかよ!

もういいよ、一晩中後悔して泣いてやる。

テーマ:男同士の恋愛 - ジャンル:恋愛

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